加賀まりこ 54年ぶり主演映画 約40歳年下の監督へ「チャラい映画を撮りたがる若い人が多い中で感心」

[ 2021年11月6日 05:30 ]

「梅切らぬバカ」で主演を務めた加賀まりこ(撮影・光山 貴大)
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 母親と50歳になる自閉症の息子の日常を切り取った映画「梅切らぬバカ」が12日に初日を迎える。主演の加賀まりこ(77)が息子を演じたドランクドラゴン塚地武雅(49)を絶賛。作品への熱い思いをスポニチ本紙に語った。

 社会の不寛容な側面も描きながら紡がれた感動の一編。自然体の演技で魅了する加賀は「自分が先に逝ってしまった後のことを母親は考えてしまう。安心して息子を預けられる場所を見つけたい。何よりもこの子が、たとえ向こう三軒両隣の狭い世界であっても愛されてほしい。それだけを念じながら演じました」と振り返った。

 事実婚のパートナーである演出家の清弘誠氏(70)の息子が自閉症であることも背中を押してくれた。息子役の塚地については「素晴らしかった。あの子を見てるだけで込み上げてきちゃうの。いとおしくってね」。爪を切ってあげる場面は「プヨプヨしてて肉を切ってしまわないかと怖かった」と笑った。

 和島香太郎監督(38)は相撲解説者、北の富士さん(79)のおいっ子。「おじさんみたいな愛きょうはないけど、チャラい映画を撮りたがる若い人が多い中で、こういう作品を選んだところは凄く感心した」と出会いを喜ぶ。1967年公開の「濡れた逢いびき」以来54年ぶりの主演作となるが、意識することは全くない。「主演だか助演だか分かんないけどね。常に一生懸命、主演のつもりでやってきたから」と、加賀節をさく裂させて締めくくった。

 ≪新庄新監督を楽しみに≫“鉄腕”稲尾和久の4連投4連勝が語り草となっている1958年の日本シリーズ「巨人―西鉄」も観戦するなどプロ野球ファンとして知られる加賀。「新庄(剛志)が日本ハムの監督に就任した。面白いね」と来シーズンを楽しみにしている。

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