初チームリーダーの菅井八段「一気に計画が狂った」 「第4回ABEMAトーナメント」ドラフト会議

[ 2021年3月27日 22:26 ]

「第4回ABEMAトーナメント」のドラフト会議に臨んだ将棋界のトップ棋士14人
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 将棋の早指し王を決定する「第4回ABEMAトーナメント」のチーム編成を決めるドラフト会議が27日、インターネットテレビ局「ABEMA」で放送された。選択会議収録後、チームリーダーを務めるトップ棋士14人が取材に応じ、チーム構想のウラ話を語った。(その3=おわり=)

 ◇「ミレニアム」再結成!三浦弘行九段チーム(高野智史五段・本田奎五段)

 三浦は2年連続で新進気鋭の2名を指名した。「気心知れたメンバー。若手2人に頑張ってもらってリーダーが楽をできるような展開に…(笑い)」と心の内を明かした。「やるからには昨年以上を目指したい。結束力はあると思うので、まずは予選を抜けたい」と着実な前進を目指す。

 ◇実力派勢ぞろい 稲葉陽八段チーム(久保利明九段・船江恒平六段)

 稲葉は修行時代からの大先輩・久保と同門の兄弟子・船江を選択した。「将棋はもちろんご飯に行ったりすることもよくある。チームが組めて楽しみ」と心を躍らせた。見据える先はひとつ。「優勝目指して頑張りたい」と力強かった。

 ◇ファン騒然!菅井竜也八段チーム(郷田真隆九段・深浦康市九段)

 振り飛車党の菅井は“ドラ1”で生粋の居飛車党・郷田を指名。予想外の一手でファンを驚かせた。接点はないそうだが、「郷田先生の将棋が昔からすごく好きなので、一緒のチームでやってみたいなというのがあった」という。構想段階では2巡目に久保九段を指名予定だったが、稲葉チームが1巡目に指名。「振り飛車ですから周りの方が気を使ってくれて僕に久保先生をくれるんじゃないかなと思っていたら…一気に計画が狂いました。稲葉さん、横で笑ってたんですけど今日で嫌いになりました(笑い)」と兄弟子の稲葉に“恨み節”も。結果、2巡目で「すごく話やすい先生ですし、以前将棋合宿でお世話になった」という深浦を獲得。「総合力でかなり上に来ると思う」と飛躍を誓った。

 ◇「ドラフトのだいご味」堪能 斎藤慎太郎八段チーム(村山慈明七段・都成竜馬七段)

 1、2巡目ともに木村九段と競合した斎藤は「このクジ運…。ドラフトのだいご味を味わえた」と苦笑いを浮かべた。しかし、事前に編成パターンを多数準備していたといい、「その中のひとつが組めて安堵した。素晴らしく満足のいく編成になった」とほくほく顔だった。

 ◇「今年の運をすべて使い果たした」木村一基九段チーム(佐々木勇気七段・池永天志四段)

 斎藤八段との競合を2度制した木村。「明るい人がいいなと」佐々木勇、池永を獲得した。「抽選につきましては今年の運をすべて使い果たしたなという感じですかね…今後が危惧されるところです…」と木村節。「チームとしては優勝を。私としてはチームの足を引っ張らないようにというのが正直なところ」と控え目に目標を語った。

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2021年3月27日のニュース