大河「麒麟がくる」染谷将太 「死に顔は全話の中で1番力の抜けた顔」

[ 2021年2月7日 20:58 ]

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の本能寺で最期を迎えた織田信長(染谷将太)(C)NHK
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 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で織田信長を演じた俳優の染谷将太(28)が7日放送の最終回について取材に応じた。

 ──最終回の台本を読んだ時の率直な感想は?
 「とても切なかったです。しかし、光秀という1人の男の信念と、曲がらずに麒麟に向かって突き進んだ人生に涙しました。読んでいて興奮し、感動しました。本当に感情が忙しい、すてきな本でした」

 ──最終回の信長をどのように演じようと思った?
 「怪物になってしまった。そんなことを意識しました。もう誰も止められない、誰の話も聞かない、既に世界は自分の物だと思っている。そこに光秀の手が下される。光秀に討たれることでその全能感から解放され、ある種肩の荷がおり楽になる。死に顔は全話の中で1番力の抜けた顔にしようと思いました」

 ──実際に演じた手応え、思いは?
 「長く携わってきた信長役が終わるのがとても切なく感じました。自分も信長役から解き放たれる、肩にのしかかっていたモノが取れるようで、最後の脱力感が役とリンクしてしまいました」

 ──本能寺で、光秀に襲われたことを知った時に「是非もなし」と言った場面は?
 「光秀に討たれるのはもはや本望。光秀が自分を楽にしてくれる。迎えに来てくれたといううれしさと切なさが複雑に出ました。そして、最後の戦を楽しもう。最後の戦が光秀なんて最高だ!そんな気持ちでせりふを言い、肩に刺さった矢を折りました」

 ──信長の人生をどう思う?
 「今回の信長においては、とても孤独な人生だったと思います。本当の意味で向かい合える人がおらず、ちゃんと自分を見てくれる人にさえ、本当の意味での対話が出来ない。子供の頃から人との向き合い方を知らないまま権力をつけていき、気づけば1人孤独な状態で生涯を終えた。『麒麟がくる』の信長はそんな信長であったと思います」

 ──信長から解き放たれた今は?
 「やっと普段の生活、普段の世界に戻った気がしています。信長を演じることが生活の一部となっていたこの長期間、やはり異質な時間だったなと振り返っています。そこで経験したこと、得たものをまた次の現場から生かし、新たな気分で過ごそうと思っております」

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2021年2月7日のニュース