永瀬王座「結果が出てよかった」 豊島竜王を破り渡辺王将への挑戦決定!王将戦挑戦者決定Lプレーオフ

[ 2020年11月30日 20:03 ]

<王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ>プレーオフを制し笑顔でガッツポーズする永瀬王座
Photo By スポニチ

 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグは30日、東京都渋谷区の将棋会館で豊島将之竜王(30)=叡王との2冠=と永瀬拓矢王座(28)によるプレーオフが行われ、永瀬王座が128手で豊島竜王に勝利し、初の王将挑戦権を獲得した。

 「軍曹」の異名を持つ28歳が、初の王将挑戦を決めた。本局は、後手・永瀬の雁木に豊島が右四間飛車で仕掛けた進行に。永瀬は「想定はしていなかった。課題のひとつ、テーマの一つなのかなと思っていた。(研究は)そこまで深くではないが、イメージはある将棋だった」という。「難しい将棋で優勢は意識していなかった。(48手目)△3八角から△2九角成としたが自然かはちょっと…。他の手がわからなかったのと、その盤中が難しくて形勢がよくわからなかった」と難解な一局を振り返った。

 豊島とのこれまでの通算対戦成績は7勝7敗2持将棋(引き分け)と全くの五分。今年の叡王戦7番勝負、日本シリーズJTプロ公式戦決勝の大舞台では豊島に軍配が上がっていただけに、プレーオフを制し「挑戦するのは久しぶりなので、結果が出てよかった」と喜びはひとしおの様子だった。

 70期の節目を迎える王将戦7番勝負は、来年1月10日に開幕。待ち受けるは渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=だ。タイトル戦では16年の棋王戦5番勝負以来2度目の激突で、前回は3勝2敗で退けられている。渡辺については「番勝負になるとかなり(作戦を)練って来られる」と印象を語った。

 令和の将棋界の一角を担う永瀬だが、王将戦挑戦者決定リーグには今期が初参戦だった。リーグ初登場で7番勝負挑戦は第47期(1997年度)の佐藤康光八段(現九段・日本将棋連盟会長)以来の快挙。初リーグ参戦、初挑戦から初奪取へ。永瀬の挑戦から目が離せない。

 ◆永瀬 拓矢(ながせ・たくや)王座 1992年(平4)9月5日、神奈川県横浜市出身の28歳。安恵照剛八段門下。2009年、17歳でプロ入り。16年、棋聖戦でタイトル初挑戦。19年、叡王戦で初戴冠。同年、王座奪取で2冠。20年、王座防衛。将棋に対するストイックな姿勢や発言から「軍曹」の異名を持つ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月30日のニュース