TBS やらせ2番組を打ち切り「消えた天才」「クレイジージャーニー」番組の継続は困難と判断

[ 2019年10月21日 15:01 ]

TBS社屋
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 TBSは21日、やらせ演出が発覚した「消えた天才」(日曜後8・00)「クレイジージャーニー」(水曜後11・56)の2番組を終了すると同局公式サイトで発表した。やらせ演出の公表後、2番組とも放送を休止。放送の再開や終了については「調査が終わった段階で判断したい」(編成局長)としていたが、「番組の継続は困難」と判断し、打ち切りを決めた。後番組については「未定」とした。

 「消えた天才」は「野球の試合映像を早回しすることで実際の投球よりも球速が速く見えるようにするなど、映像の不適切な加工が4件あった」が、全26回の放送内容を精査、スタッフへのヒヤリングを行うなど調査をした結果、他には確認されなかったと報告。「私どもは、改めて、これらの不適切な加工で視聴者の皆様の信頼を損なったことを重く受け止め、番組の継続は困難と判断し、放送を終了することを決めました。これまで番組をご覧頂いた視聴者の皆様、取材に協力して下さったアスリートの皆様、番組に出演して下さった方々、関係者の方々に、重ねて深くお詫び申し上げます」と番組終了を報告し、改めて謝罪した。

 「クレイジージャーニー」は「爬虫類ハンター企画で、計15種類の生物を事前に準備し、捕獲シーンを撮影」したが、その後の調査の結果、同様の手法は他には確認されなかったと報告。「私どもは、改めて、これらの不適切な手法で視聴者の皆様の信頼を損なったことを重く受け止め、番組の継続は困難と判断し、放送を終了することを決めました。これまで、番組をご覧頂いた視聴者の皆様、番組に出演して下さった方々、取材に協力して下さった方々、関係者の方々に、重ねて深くお詫び申し上げます」と番組終了を報告し、改めて謝罪した。

 「消えた天才」のやらせ演出は9月5日に発表し、謝罪。9月8日放送回から休止した。

 やらせ演出があったのは8月11日の放送。野球のリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した当時12歳の投手の試合映像を放送した際、映像を早回しすることで実際の投球よりも速く見える加工を行っていた。捕手へ届くまでの約0・5秒間を2割程度速くしていたという。放送した31球のうち7球で加工がなされていた。

 「クレイジージャーニー」のやらせ演出は9月11日に発表し、謝罪。9月11日放送回から休止した。

 やらせ演出があったのは8月14日放送の2時間特番と同日深夜のレギュラー枠。いずれも、は虫類ハンター・加藤英明氏がメキシコで棲息する珍しい生物を探し、捕獲する旅を放送した。その中で6種類の生物を紹介したが、アリゲータートカゲなど4種類は番組スタッフが現地の取材協力者に依頼し、事前に準備。現場でその生物を放ち、あたかも偶然発見したように撮影した。ロケは7月2~5日の4日間行われ、スタッフが狙った生物を発見できない場合を想定して準備したという。

 佐々木卓社長が9月25日の定例会見で「事実を前提とした番組。視聴者との約束を逸脱したアンフェアな手法があった」とし「あってはならない。皆さまに深くおわびしたい」と謝罪。同17日に緊急の全社員集会を開き「放送局にとって視聴者の信頼こそが命」と伝えたことを報告し「再発防止に努める」としていた。

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2019年10月21日のニュース