「絶唱型」で魅了した西城秀樹さん 音楽界の常識変えた 子供3人が墓をデザインし一周忌に納骨へ

[ 2018年12月23日 05:30 ]

79年、台風の影響で土砂降りの後楽園球場で、3万2000人の前で歌い続ける西城秀樹さん
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 【激動2018 芸能(11)】今年の芸能界は大物の訃報が相次いだ。脳梗塞を2度患いながらも懸命なリハビリでステージに立ち「現役歌手」にこだわった西城秀樹さん(享年63)が5月16日に力尽きた。男性では、日本テレビ「笑点」の司会でも親しまれた落語家の桂歌丸さん(享年81)、名バイプレーヤーの大杉漣さん(享年66)らもこの世を去り悲しみに包まれた。

 西城さんの訃報から7カ月。関係者によると墓はまだ建てられていないが、場所は6、7年前に西城さん自身が関東エリアですでに決めている。現在、長女莉子さん(16)、長男慎之介くん(15)、次男悠天(ゆうま)くん(13)が墓のデザインを絵で描いている最中。建墓後、来年5月の一周忌に納骨をする意向という。

 今年最も参列者が多かったのが、東京・青山葬儀所で営まれた西城さんの葬式だった。通夜に4000人、葬儀・告別式には1万人以上が駆けつけ、ファンの列が最長3・5キロに及んだほど。音楽関係者は「想定を超える人数」と振り返る。なぜこれほど多くの人が集まったのだろうか。

 通夜に参列した都内在住の女性(60)は「青春そのものでした。15年以上離れていたけど、改めて報道などで凄さを知って来ました」と話した。この元ファンのように、最後の最後になって舞い戻ってきた人も少なくないようだ。

 ソロ男性歌手として希少な存在だった。矢沢永吉(69)や氷室京介(58)といったバンド出身のボーカルが大成しやすい一方で、西城さんはアイドル出身。甘い声が当たり前だったアイドルの世界に、ロッド・スチュワート(73)らに影響された「絶唱型」と呼ばれるワイルドな歌唱法、長い髪を振り乱して歌う派手なスタイルを取り入れた。

 デビューから2年後の74年に日本初のスタジアムコンサートを大阪球場で開催。1人の声と動きだけで大規模な野外ステージをこなしてみせ、以降も東京・後楽園球場で最多4回のライブを行った。音楽界の常識を変えた西城さん。亡くなって改めて残したものの大きさを感じさせた。

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