ナンシー・ウィルソンさん死去 81歳 ジャズ界で活躍し来日公演は7回

[ 2018年12月14日 17:14 ]

81歳で亡くなったナンシー・ウィルソンさん(AP)
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 米国を代表するジャズ歌手の1人で、グラミー賞を3度受賞しているナンシー・ウィルソンさんがカリフォルニア州ロサンゼルスの東200キロにあるパイオニアタウンの自宅で死去していたことが明らかになった。専属の広報が14日に明らかにしたもので81歳だった。

 オハイオ州出身のウィルソンさんは4歳から教会で歌い始め、1959年にアルバム「Like in Love」でプロデビュー。60年代には多くの“名盤”と呼ばれる作品を残し、ジャズ界のトップシンガーとしての座を不動のものにした。

 グラミー賞は1965年に「最優秀リズム&ブルース(R&B)」、2005年と2007年に「最優秀ジャズアルバム」と3度受賞。テレビ番組の司会者も務め、その番組(ナンシー・ウィルソン・ショー=NBC)がエミー賞に輝くなど多彩な才能を発揮した。

 来日公演は7回。しかし2011年以降はツアーを行っていなかった。

 本人は「ジャズ歌手」と呼ばれるのを嫌っており、自身のジャンルに関しては「ソング・スタイリスト」と表現。晩年になっても世界中に根強いファン層を持っていた。

 結婚は2回。1960年に結婚したドラマー、ケニー・デニス氏との間に男児をもうけたが1970年に離婚。1973年に聖職者のワイリー・バートン氏と再婚し、同氏との間には女児と養女の2人がいる。

 健康状態は決して良くはなく、2006年に貧血とカリウム欠乏症で入院。2008年には肺の機能が低下して再び入院し、全快したものの、同じ年に夫のバートン氏が腎臓がんで死去するという不幸に見舞われた。

 なお本人の意向で葬儀は営まれず、誕生月(1937年2月20日生まれ)でもある来年の2月に「生誕を祝う会」が行われる。

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