永野芽郁「半分、青い。」撮了に充実感もロスなし「ケロッと」終盤展開に衝撃「台本をお風呂に…」

[ 2018年9月12日 05:00 ]

ヒロインを務めた連続テレビ小説「半分、青い。」のクランクアップ直後、モニターに映し出された自身の名場面を目にし、感涙する永野芽郁(C)NHK
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 NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(月〜土曜前8・00)のヒロインを務める女優の永野芽郁(18)が昨年11月にスタートし、約10カ月にわたった全撮影を終えた心境を明かした。波乱万丈な人生を送る鈴愛の10〜40代の悲喜こもごもを体現し「私しかできない役がこの世に存在できているのがすごくうれしく、それが鈴愛で良かったと思いました」と充実感。それでも、完全燃焼したとあってか「ロスに襲われるかと思ったんですが、クランクアップの日だけで。今は意外とあっさり『サヨナラ〜』って感じで。ケロッとしています」と笑いながら、明るく朝ドラに別れを告げた。最終回(9月29日)まで3週間を切り、放送は残り16回。引き続き衝撃的な展開が待ち受けるといい「私は『ふぎょぎょ』ってビックリして台本をお風呂に落としました。『マジ?』って感じです」とアピールした。

 朝ドラ通算98作目。フジテレビ「素顔のままで」「ロングバケーション」「空から降る一億の星」やTBS「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など数々の名作を生み“ラブストーリーの神様”と呼ばれるヒットメーカー・北川悦吏子氏(56)のオリジナル脚本。岐阜県と東京を舞台に、病気で左耳を失聴した楡野鈴愛(にれの・すずめ)が高度経済成長期の終わりから現代を七転び八起きで駆け抜ける姿を描く。

 ――クランクアップした心境を改めて教えてください。

 「いろいろ思い返すと、大変な日常だったんですが、クランクアップの時に共演者の皆さんが寄せ書きをしてくださったアルバムを頂いて、そこにある写真は全部、私が笑っているんです。もちろん撮影は楽しんでいましたが、自分としては現場でそんなに笑えているイメージがなかったので、意外と本当に楽しんで現場にいられたんだと思いました。ロスに襲われるかと思ったんですが、襲われたのはクランクアップの日だけで、今は次のことを考えたりしているからなのか、意外とあっさり『サヨナラ〜』って感じで(笑)、ケロッとしています。もう台本も全部、実家にありますが(笑)、いつでも鈴愛に戻れる自信はあります。昨日、お母ちゃん(松雪泰子)とおじいちゃん(中村雅俊)の舞台(「ローリング・ソング」)を見に行った時に『鈴愛は芽郁ちゃんにしかできないよね』とおっしゃってくださって。私しかできない役がこの世に存在できているのがすごくうれしく、それが鈴愛で良かったと思いました。それでも、やっぱり『サヨナラ〜』って感じなんですよね」

 ――昨年11月にクランクインして5カ月ぐらい経った時に「壁は感じていない」とおっしゃっていましたが。

 「その2週間後ぐらいに壁が来たんです。『壁は感じていない』という発言が世の中に流れ始めて『お、永野芽郁、余裕なのか』と思われている時は一番きつくて、言わなきゃよかったと思いました。10カ月も同じ人物を演じると、自分でいられる時間がなかったですし、自分が生きている時間の中に鈴愛をどう落とし込んでいいか分からなくなりました。他の人とどう接していいかも分からなくなって…。鈴愛が(100円ショップ)大納言で働いて、結婚して離婚する『人生・怒涛編』(7月5日〜8月4日)の記憶がホントになくて…全く覚えていないんです。撮影の順番もバラバラで、涼ちゃん(間宮祥太朗)とのお別れからスタートして、結婚生活をやって、また『死んでくれ』(8月1日の第105話、映画監督の夢をあきらめ切れない涼次から“家族は邪魔になる”と離婚を切り出された鈴愛のセリフが“死んでくれ。死んでくれ、涼ちゃん。そしたら、許してあげるよ。別れてあげるよ”)って言って(笑)。展開がガックンガックンしていたので、『いらっしゃいませ〜』と言ったり、レジ打ちの練習をしたぐらいしか記憶がなくて。それくらい、その期間が一番大変だったのですが、そこを乗り越えると意外と楽勝でした(笑)」

 ――思い出に残るシーンを教えてください。

 「(脚本の)北川(悦吏子)さんがツイッターで『神回』とつぶやかれたのがネットニュースになったりしているのを読んで『あ、きょう神回なんだ』って後から知ることも多くて。演じている側としては一番最後にピークを持っていくために、いろいろと工夫していたので、このシーンだけ特に力を入れるということはなかったんですが、鈴愛は泣いてばかりだったので、泣くシーンはどれも印象に残っています。秋風先生(豊川悦司)とのお別れ(第81話、7月4日)の後は、監督に水たまりができていたと言われるくらい、床がビチョビチョになってるくらい泣いていて。「この家はウソつき家族や」と泣き叫ぶシーン(5月1日の第26話、上京を反対されて農協内定も祖父・仙吉の口利きと分かり、鈴愛は涙)はだいぶ最初の頃に撮っているので、現場の空気もまだつかめていない中で感情を爆発させないといけない。私がセリフを間違えたら先輩たちにやり直しをさせてしまうことになるし、私もまた泣かなきゃいけないし…と変に緊張したことを覚えています」

 ――10カ月の撮影を通して女優として引き出されたものはありますか?

 「今回の『半分、青い。』もそうですが、自分のお芝居がうまくいったと思ったことが一度もありません。だから視聴者の皆さんや共演の先輩たちが『あのシーンは鈴愛が痛々しくて、涙が止まらなかった』とかおっしゃってくださると、そんなふうに見ていただける人がいることによって私はこの先もずっとお芝居続けていけるんだろうなぁと思います。いつか『この作品、私は最高のお芝居ができたので、見てください』って言えるくらいの女優さんになれたら、おもしろいなぁと思います」

 ――10カ月の撮影を完走して成長を感じた部分は何ですか?

 「1日に撮る量やセリフの量がとんでもなく多かったので、それに慣れすぎて、今、映画1本分くらいの台本なら3時間くらいで覚えられます。それくらいのペースでした。最初は1週間分の台本を覚えるって…と思っていましたが、やってみれば意外とできるんだと。今、記憶力はすごくいいと思います」

 ――鈴愛の一番いいところはどこですか?

 「いつも思うのは、いいところと悪いところは結局つながっていたりするじゃないですか。鈴愛は真っすぐでタフな人ですが、そのエネルギーがいい方に回ることもあれば悪い方に回ることもある。北川さんがいいところだけじゃなく、飾らずに鈴愛を描いているので、それがすごく人間らしいと思いました。涼ちゃんに『死んでくれ』と言った時も『そんなことを朝から言っていいのか?』とネットニュースになっていましたが、そういうことを言ったことがある人はいると思いますし、私は演じていて、そう言いたくなりました。鈴愛は共感するところもあれば、しないところもある。誰だってそうだなぁと思います。私のことだって、いいと思ってくれる人もいれば、そうじゃない人もいて。それが人だから。鈴愛はすごく人間らしくて、人間力にあふれている人だなって思います。ただ、鈴愛の友達にはなれないですね(笑)。だから、菜生ちゃん(奈緒)はえらいと思います。ユーコ(清野菜名)もボクテ(志尊淳)も。私は友達の友達くらいでいいです(笑)」

 ――8月17日のクランクアップの際に「『半分、青い。』は私にとって永遠に自慢できる作品になったことは間違いないです!だから、朝ドラでまたヒロインをやりたいな、また戻ってきたいなって思っています(笑)」とコメントを出されていましたが、具体的には何かありますか?

 「どの役でも体力は使うと思いますが、鈴愛はすごく体力を消耗するので、できれば鈴愛はもうやりたくないです(笑)。次は、どんなのがいいかなぁ。朝ドラのヒロインは笑っているイメージがあるので、笑わない人はどうでしょう(笑)。家族や友達、周囲がヒロインを笑わせようと一生懸命頑張るんですが、最終回までヒロインが全く笑わない。これでどうでしょう(笑)」

 ――最後に、終盤の見どころをお願いします。

 「律(佐藤健)とどうなるかが気になりますよねぇ。ちなみに私はビックリして台本をお風呂に落としました。いつもはソファで読むんですが、気分転換でいいにおいのバスオイルを入れて女子力を上げながらお風呂で読んでいたんですが、急にそのページが来て『ふぎょぎょ』って。湯船に落とした台本を急いで拾ってドライヤーで乾かしたんですが、文字がにじんであっちこっちに写ってしまいました。私としては結構、衝撃的な。『マジ?』って感じです」

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