完結の「ドカベン」、単行本は「こち亀」超え最多203巻 プロ野球選手にも愛された

[ 2018年6月21日 06:10 ]

「ドカベン ドリームトーナメント編」で東京スーパースターズの一員として活躍する山田太郎
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 週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載されている水島新司氏(79)の人気野球漫画「ドカベン」が、28日発売の同誌で完結する。21日発売号で「野球ファン衝撃のグランドフィナーレ!!夢の球宴がついに万感の最終回を迎える――」と告知している。

 1972年の連載開始から46年。「大甲子園」を含む高校野球編が終了した87年に一度は完結したが、95年には舞台をプロに移して再開した。

 神奈川県の明訓高校野球部を舞台に、強肩強打の山田太郎、悪球打ちの岩鬼正美、下手投げの里中智らの活躍を描いた人間ドラマは、年代を超えて野球ファンを魅了。故香川伸行さんのように山田と似たガッチリした体形の球児を「ドカベン」と呼ぶもとになった。

 現在は、架空の4球団を含むセ・パ16球団がトーナメントでぶつかる「ドリームトーナメント編」で、山田は明訓ナインが集まった東京スーパースターズで決勝戦を戦っている。“最終章”として12年から描かれてきた。

 「ドカベン」「大甲子園」「プロ野球編」「スーパースターズ編」「ドリームトーナメント編」の5編で発行された単行本は計203巻(別に傑作選が7巻)。これは16年に週刊連載を終えた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の200巻を超えコミック史上最多となる。

 ON時代から、日本選手が大リーグで活躍する現在までの半世紀、サッカー人気の上昇や、日本選手の大リーグ流出など、球界の危機への提言とみられる描写も盛り込まれてきた。プロ選手にもファンの多い国民的野球漫画が、ついにゲームセットを迎える。

 ≪時代とともにテーマ幅広く≫「ドカベン」が始まった70年代は「巨人の星」に代表されるスポ根ものや「侍ジャイアンツ」などの魔球ものが人気。80年代には現実的な表現が重視され、ラブコメ要素の強い「タッチ」や学園ものとの融合で人気を得るなど多様化していった。90年代以降は大リーグに挑戦する「MAJOR」や、地区大会を丁寧に描く「おおきく振りかぶって」など、より幅広いテーマで描かれている。

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