「半分、青い。」第29話 北川悦吏子氏「もう二度と書けない」渾身のセリフとは…

[ 2018年5月4日 19:30 ]

連続テレビ小説「半分、青い。」第29話の1場面。1989年12月、クリスマス間近。「喫茶 ともしび」から雨の中を歩いて帰る鈴愛(永野芽郁)と律(佐藤健) (C)NHK
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 女優の永野芽郁(18)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(月〜土曜前8・00)の第29話が4日に放送され、脚本の北川悦吏子氏(56)が自身のツイッターで「私が一生、生きても、もう二度と書けないだろう」と明かした渾身のセリフがあった。

 北川氏はこの日午前5時頃に「私が一生、生きても、もう二度と書けないだろう、というセリフがひとつだけあります。見つけてもらえると、うれしい」と視聴を呼び掛け。午後2時頃にタネ明かしをし「今後のストーリーの伏線にもなってきます」と解説した。

 漫画家を志す鈴愛(永野)の東京行きが決まり、時は過ぎ、1989年12月。幼なじみ4人組“梟会”は久しぶりに「喫茶 ともしび」に集まった。ブッチャー(矢本悠馬)と菜生(奈緒)も進路が決まり、残るはセンター試験を目前に控えた律(佐藤健)のみとなった。その帰り道。鈴愛と律は雨の中、ビニール傘を差して歩く。

 鈴愛「この前さ、大雨の日あったやん。あん時さ、雨満喫しようと思って、土砂降りの中、傘差して外出たの。そしたら、やっぱり左側が雨の音聞こえなくて…。今も聞こえん。律…。左側に雨の降る感じ、教えてよ…。どんなやったっけ」

 律「傘に落ちる雨の音って、あんまきれいな音でもないから。右だけぐらいがちょうどいいんやないの」

 北川氏が「もう二度と書けないだろう」としたのは、この律のセリフだった。

 北川氏は今年2月に行われた合同インタビューで、律のキャラクターについて「あまり自発的に動かない子がどういう人生を見つけていくか。この作品の裏テーマだと思っています。鈴愛を受け止める役ではあるんですが、その中で、ただ優しい子じゃなく、どうやって強さ、意志を出していくか。受けの芝居と攻める芝居が内在する(佐藤)健君にしかできない役なんじゃないかと。これから律がどういうことを言って、どういうふうに動くかはまだ未知なんですが、自分が書いてきたラブストーリーの相手役として集大成になるんじゃないかなと思っています」と語っていた。今後の北川氏の筆に、さらなる期待が集まる。

 インターネット上でも「何、この最高な会話」「こんなこと言われたら、いくら幼なじみの鈴愛でも照れるし、うれしくなる」などと反響を呼んだ。

 朝ドラ通算98作目。フジテレビ「素顔のままで」「ロングバケーション」「空から降る一億の星」やTBS「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など数々の名作を生み“ラブストーリーの神様”と呼ばれるヒットメーカー・北川氏のオリジナル脚本。岐阜県と東京を舞台に、病気で左耳を失聴した楡野鈴愛(にれの・すずめ)が高度経済成長期の終わりから現代を七転び八起きで駆け抜け、一大発明を成し遂げる姿を描く。

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2018年5月4日のニュース