スタジオポノック、米林宏昌監督ら3本の短編アニメ8月公開へ

[ 2018年3月27日 15:15 ]

「ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―」(C)2018 STUDIO PONOC
Photo By 提供写真

 昨年7月公開のアニメーション映画「メアリと魔女の花」を手がけたスタジオポノックが、レーベル「ポノック短編劇場」を新設し、8月24日に短編アニメーション映画「ちいさな英雄−カニとタマゴと透明人間−」を公開することがわかった。27日、都内で行われた会見で明らかになった。

 「メアリ」の米林宏昌監督、高畑勲氏の右腕として活躍した百瀬義行氏、宮崎駿作品で中心を担ったアニメーターの山下明彦氏とスタジオジブリ出身者による3作品が同時上映される。昨年、次男が誕生したという米林監督はカニの兄弟による冒険ファンタジー「カニーニとカニーノ」で自身初のオリジナルストーリーに挑む。百瀬氏は、実話を基に卵アレルギーを持つ少年と母親との絆をアニメ化した「サムライエッグ」、山下氏は見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる「透明人間」をそれぞれ監督する。上映時間はそれぞれ約15分。

 声優としてオダギリジョー、尾野真千子、田中泯が出演するが、配役は現時点で発表されていない。音楽は中田ヤスタカ氏、村松崇継氏が担当する。会見に出席したスタジオポノックの西村義明プロデューサーは、短編に挑む背景について説明を行った。宮崎駿氏、高畑勲氏がアニメ業界に与えてきた功績を称えつつ「このまま胡座をかいていていいのか。挑戦として1つのレーベルを立ち上げようと思った。次なる一歩となるレーベルだ」と述べた。また「スタジオポノックはスーパーヒーローを描きたいわけじゃない。自分たちに勇気を与えてくれた存在をそのまま描きたい。小さな存在かもしれないが、一生懸命生きている。小さな英雄を描きたい」と語った。

 短編というと宮崎氏も短編「毛虫のボロ」を発表し話題となったが、西村プロデューサーは「観ていないが傑作であることには間違いない」といい、スタジオポノックが短編を制作することについては「(宮崎氏から)何か言われたりはしていない」とした。今後は隔年で短編アニメを公開していく計画を明かし、「次にやるときは実写監督、海外の監督、はたまたアニメとは畑違いの人が監督かもしれない。色んな方とのコラボができれば。そういう土壌を作りたい」と語った。

 配給を担当する東宝の市川南氏は「東宝配給で短編は初めてではないか。いままでにない新しいチャレンジに東宝も応援する。100スクリーン以上での公開を用意している」と期待を寄せた。なお、チケット料金は通常よりも安くなる見込み。

続きを表示

2018年3月27日のニュース