東日本大震災から7年、Jヴィレッジ再開へ 力入る福島・双葉地方

[ 2018年3月2日 10:30 ]

2013年当時は芝生のピッチが駐車場として使われていたJヴィレッジ
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 福島県のサッカー関係者が「ようやく再開されることになったよ」と声を弾ませながら連絡してきた。同県楢葉町、広野町にあるトレーニング施設「Jヴィレッジ」のことで、今年4月1日から一部グラウンドや宿泊棟の利用予約が受け付けられ、7月から運用が開始される。

 Jヴィレッジは、2011年3月の東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後に休止。復興のための工事の拠点になっていた。震災前、同施設でサッカースクールのコーチをしていた30代の男性は「また全国大会や日本代表の合宿が誘致できれば、子どもたちがトップレベルの選手と触れ合い、競技力向上につながるし、復興のシンボルになる」とうれしそうに話してくれた。

 7月に再開する施設は、原発事故前にあったグラウンド11面のうち、センター棟近くの天然芝5面、人工芝1面。新しい宿泊棟は、宿泊用の約120室や300人が収容できる会議用ホールを備えている。メイン施設のスタジアムや残りのグラウンドは19年春の全面再開と同時に使用できるようになる。

 楢葉町の松本幸英町長は「地域振興と交流人口の拡大につながり、双葉地方の復興の後押しになる」、広野町の遠藤智町長は「双葉地方の付加価値と魅力が高まり、地域経済やコミュニティーの拡大が図られる」とコメント。楢葉町の商店の男性店主(56)も「Jヴィレッジと地元事業者との取引も再開される。再び双葉地方に観光客を呼び込むチャンス」と力が入っている。

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2018年3月2日のニュース