大杉漣さん遺作「バイプレイヤーズ」第4話放送 超短期間の作業で完成 変わらぬ楽しさ届けた

[ 2018年2月28日 22:45 ]

「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」第4話の1場面(左から田口トモロヲ、光石研、大杉漣さん、遠藤憲一、松重豊)(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会
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 21日に急死した俳優の大杉漣さん(享年66)が出演し、亡くなる前日の20日まで撮影していたテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」(水曜後9・54、全5話)の第4話が28日、放送された。スタッフがオンエア前、一様に「楽しんでください」と呼び掛けた通りの“らしい”内容。おじさんたちの“わちゃわちゃ”ぶり、ゲスト出演した里見浩太朗(81)の度肝を抜くキャラクターなど、変わらぬ楽しさを視聴者に届けた。撮影の3割を残していたが、同局の濱谷晃一プロデューサーが「特に横浜監督とポスプロ(ポストプロダクション)スタッフは超短期間での作業お疲れさまでした」と明かすタイトな日程の中、見事、完成にこぎ着けた。

 21日、第3話を放送。22日、同局にはメールや電話などで「続けてもらいたい」という要望が相次ぎ、23日、第4話と最終回(第5話)を予定通り放送することを決定したと発表した。

 昨年1〜3月に放送された前作「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」に続き、名脇役たちが再び本人役で共演。前回は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今回は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に流れ着き、サバイバル生活を送るというストーリー。

 第4話の脚本は実写版映画「鋼の錬金術師」(共同脚本)やアニメ「紙兎ロペ」などの宮本武史氏、演出は映画「ウルトラミラクルラブストーリー」「俳優 亀岡拓次」などで知られる横浜聡子監督が担当した。

 宮本氏は28日午後、自身のツイッターで「今日は『バイプレイヤーズ』第4話の放送日。私、楽しむ準備は万全です。あと、楽しまされる準備も万全です。皆さんも是非是非!」、横浜監督は同日午前、自身のツイッターで「『バイプレイヤーズ』をあいしてくださっているみなさま。見届けてください」と呼び掛けた。

 前作からメーンライターを務める脚本家・ふじきみつ彦氏も同日午後、自身のツイッターで「『バイプレイヤーズ』第4話。今までと変わらずバイプレイヤーズの5人が楽しくわちゃわちゃしている『バイプレイヤーズ』らしい第4話です」と紹介。前回に続いて企画を担当し、今回は演出も手掛けるドリマックス・テレビジョンの浅野敦也プロデューサーも28日、放送の約2時間前に自身のツイッターで「大杉漣さんがいたあの時の、どの現場よりも明るくて笑顔のたえない空気を守り、横浜監督が作り上げました。里見さん、ユースケさんもパワー全開です。4話は今夜放送です。是非、楽しんでください!」。いつも通りの楽しい作品だと強調していた。

 テレビ東京の濱谷ロデューサーは前日27日夜、自身のツイッターで「明日放送の『バイプレイヤーズ』4話が完成しました。キャスト、スタッフの皆さんに感謝です。特に横浜監督とポスプロ(ポストプロダクション)スタッフは超短期間での作業お疲れさまでした」と報告。厳しいスケジュールだったことを明かしながら「とてもおもしろいです。バイプレイヤーズらしい内容です」と続けた。

 第4話は「バイプレイヤーと大御所」。里見とユースケ・サンタマリア(46)が本人役でゲスト出演した。朝ドラ「しまっこさん」の話題作りのため、ユースケが監督を務めることに。島ハウスを訪れたユースケは「ここで撮影をやろう」と言い出す。光石以外の4人が反対する中、撮影はスタート。無茶な演出で壊されていく家の様子にバイプレーヤーたちの顔が曇り始める。その折、光石が島で里見とすれ違う…という展開だった。

 大杉さんが21日に亡くなり、21、22日の撮影は中止。当初は27日にクランクアップの予定だった。第4話は撮影の3割を残していたが、脚本を一部変更し、撮影をし直したとみられる。中盤、5人と里見で予定されていたシーンを、光石と里見のシーンに切り替えたようで、見事、完成にこぎ着けた。大杉さんが書いたと光石が紹介した書道「足ルヲ知ル」のシーンも新たに盛り込んだとみられる。

 最終回は3月7日に予定通り、放送される。

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