松坂慶子「西郷どん」の母熱演 「貧しくても心豊かに」隆盛に受け継がれた人間愛

[ 2018年2月18日 09:00 ]

「西郷どん」で吉之助(隆盛)の母・満佐を演じる松坂慶子(C)NHK
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 俳優の鈴木亮平(34)主演のNHK大河ドラマ「西郷どん」(日曜後8・00)で女優の松坂慶子(65)が、西郷吉之助(隆盛)の母・満佐(まさ)を演じている。4男3女をもうけ、貧乏でも明るく子どもたちに愛情を注ぐ肝っ玉母さん。松坂が役柄への思いや大河作品の魅力について語った。

 大河初出演の「国盗り物語」(1973年)から今作まで、様々なドラマで印象深い役柄を演じてきた。「大河出演は光栄ですが、重圧もあるので緊張します。最初は孤独ですが、撮影現場に入ると共演者の方々がいて温かい気持ちになり、こわばっていた気持ちがほぐれていく。アットホームな雰囲気になってみんなで乗り越えていくんだという気持ちになります」と大河ならではのムードを大切にしている。

 満佐は西郷吉之助を芯の通った男に育てようと愛をもって厳しく教育する。吉之助の深い愛と胆力は母譲りだ。「満佐さんは薩摩おごじょとして“子どもは藩の預かり物”と考え、藩に貢献する人材、薩摩隼人を育てなければという自覚があったと思う。優しい中にも明るく厳しくするところが満佐さんらしいかな。とても明るい人だったと思います。貧しいことは恥じゃない。貧しくても心豊かに家庭を守り、子を育てた人ですね」と満佐についての自身の解釈を語った。

 愛する我が子、吉之助の印象は「利他主義といいますか、自分のことを律するからこそ人のことを考えられる人。せっかくいただいた禄(ろく)を他の人にために使ってしまいますからね。こっち(家族)もお腹空かせているのにねえ(笑)。満佐さんの愛情深いところが吉之助に受け継がれていると思います。父や母、祖父や祖母ら愛情深い人々に育てられて、自分自身が愛されているからこそ、人を愛することもわかっているのだと思います」。

 吉之助を演じる鈴木の奮闘を称え「自然体で人柄がいい。存在感もあって“大きく演じられる”方だと思う。新しいタイプの俳優さんですね。視野が広い方。米国でも中国でもどこにいっても力を発揮できる俳優さんだと思います。きっとこれからもいろいろな出会いをされて、成長していく、年齢を重なるとまたいい味が出てくる人になりそうですね」と目を細める。

 18日放送の第7話では、満佐が吉之助の嫁取りをせかす“理由”が明かされる。薩摩藩主・斉彬(渡辺謙)に伴い江戸に行きたい吉之助は結婚を拒むが、母が死病を患っていることを知る。心痛める吉之助は伊集院家より須賀(橋本愛)を嫁にもらう一大決心をすることに。

 松坂は「命のリレーといいますか、バトンを渡す回ですね。家長が世代交代、バトンタッチする。吉之助がこの家の中心人物になって、これからは自分がこの家を支えていくんだという覚悟ができる回です。それが西郷家らしく描かれています」と展開を語った。満佐のあふれる“家族愛”が視聴者の胸を熱くする。

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2018年2月18日のニュース