フジ「隣の家族は青く見える」視聴者好感度高く 深刻なテーマをバランス良く

[ 2018年2月7日 17:18 ]

フジテレビ系ドラマ「隣の家族は青く見える」に出演の深田恭子(左)、松山ケンイチ
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 1月にスタートしたドラマ「隣の家族は青く見える」(フジテレビ、毎週木曜午後10時)は、“妊活”や“同性カップル”など、デリケートな問題を扱っているが、視聴者の好感度は高い。

 このドラマは共同で設計・建築した集合住宅“コーポラティブハウス”を舞台に、妊活に励む主人公夫婦、子供をつくらない考えを持つ未婚カップル、失業した夫を隠し幸せな家族を装う夫婦、男性同士のペア、とそれぞれに悩みを抱えた4家族を描く。

 子供をつくりたい(つくりたくない)というキャラクターや、同性同士の恋愛というテーマは、深く描こうとすれば暗くなりがちで、軽く扱うと視聴者に不快な印象も与えかねない。そのバランスをうまく保っているのがこの作品。要因の一つとして、夫婦の憎めないキャラクター設定がある。深田恭子演じる何があっても許してくれる包容力のあるキュートな妻・奈々、松山ケンイチ演じる少し無神経だけど妻に対する愛情がちゃんと伝わってくるピュアな夫・大器。この二人のかけ合いが、実に軽妙で見ていて思わずクスっとさせられる。

 丁寧な演出も不快な気持ちにさせないポイントとなっている。例えば、やや“ウザいキャラ”として描かれている真飛聖演じる幸せを装う妻が、それを疎ましく思っている子供を持たない考えのカップルに手作りマフィンをおすそ分けする第2話のシーンが印象的。苦手な人物が突然押しかけてきては手作りお菓子を渡すというこの場面は、それを嫌がるリアクションで終わるのが普通。だがこのドラマはそのマフィンを食べて“おいしい”とちゃんと褒めるのだ。この何気ないシーンの中に、ドラマの良心が詰まっており、それが視聴者の好感度にもつながっている。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」か(対象2400人)によると、「奈々と大器の二人が本当に良い夫婦。見ていて微笑ましいシーン満載」(39歳女性)、「主役二人に好感が持てて楽しい一方、色々考えさせられるいいドラマだと思う」(37歳女性)、「不妊治療を真剣に、そしてコミカルに描き笑いあり涙ありで大満足の1時間」(35歳男性)など、視聴者の評判も上々。満足度も初回から上昇傾向にあり前回の第3話で最高の3・88(5段階評価)を記録し高満足度の基準3・7を上回った。

 それぞれ4家族の抱える問題は一筋縄ではいかないものばかり。微笑ましい主人公夫婦に癒され、応援したくなる。この冬、心を温かくしてくれるまさにハートウォーミングな作品になりそうだ。

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2018年2月7日のニュース