有賀さつきさん 覚悟の闘病…仕事に子育てに介護 一人で抱え

[ 2018年2月6日 05:30 ]

93年のインタビューで笑顔を見せる有賀さつきさん
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 元フジテレビアナウンサーの有賀さつき(ありが・さつき)さんが死去していたと5日付スポニチ本紙特報版が報じたことを受け、父親の洋さん(84)が取材に応じた。有賀さんが1月30日午前8時ごろに亡くなったと明かした。52歳。死因は不明。葬儀・告別式は親族で行ったという。闘病を公表していなかった有賀さんの突然の訃報に、仕事仲間や関係者から驚きと悲しみの声が上がった。

 洋さんは5日付本紙特報版の報道を受け、横浜市の自宅前で取材に対応。有賀さんの死去を1面で報じる本紙を手に「この通りでございます」と報道を認めた。その上で「痩せ衰えてまいりまして(死去の)2週間前から入院してました」と説明。亡くなる2、3日前に見舞いに行った際は「医師から“回復している”と言われたので退院も近いと思っていた」とした。

 それが30日朝、容体が急変したと病院から連絡があり、有賀さんの一人娘(15)と病院に駆け付けた。最期をみとることはできなかったという。フジテレビの黄金期を象徴する「女子アナブーム」をけん引した有賀さんは、言い残す言葉もなく一人で旅立った。

 死因について洋さんは「医師から“有賀さんとの約束で親族にも伝えられない”と言われた」と明かし「固い意思と思うので尊重したい」と話した。

 米ニューヨークで過ごした5歳から8歳までの3年間が一番の思い出とし「そこで学んだことが彼女の後半の人生に多大な影響を与えた」と語った。

 有賀さんは同局の解説委員を務めた和田圭氏(65)と離婚した後、娘と2人で暮らしていた。母親を2年前に亡くし、きょうだいもいない。思春期の孫とともに残された洋さんは「彼女らしい人生だった。早すぎますが」と声を震わせた。

 病気を親しい仕事仲間や友人にも明かしていなかった有賀さん。昨年末に仕事を整理した上での覚悟の闘病だった。同局の3期先輩でフリーの松田朋恵アナ(54)は昨年10月に連絡を取った際、「親のこともありまして、仕事をすべて清算して年内で仕事をお休みするんです」と報告を受けていた。周囲から痩せたことを指摘された時も「ダイエットに成功した」と笑顔で話していたという。

 有賀さんは88年にフジテレビに入社。同局を退社した後も芸能界で活動、フリーの女性アナが活躍できる道を開いた。華やかな面が目立つが松田さんは「根が真面目で何にでも一生懸命に取り組む女性でした」。特にシングルマザーとなってから「仕事を頑張りたい」と、クイズ番組などで生かすため漢字検定の準1級などを取得していた。松田さんは「何よりお子さんのことが心残りだと思う。本当に悔しい」と後輩の早すぎる死を悼んだ。

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