イノッチ&有働アナが起こした朝の“革命” 取り戻した主婦層の支持

[ 2018年2月5日 10:40 ]

 NHK朝の看板番組「あさイチ」の司会を務めるV6の井ノ原快彦が、コンビを組む有働由美子アナとともに3月末で降板することがスポニチ本紙報道で明らかになった。NHKらしからぬ大胆な特集で人気を集め、「革命的」とも言われた番組の原動力となった名コンビだった。

 番組は2010年春にスタート。連続テレビ小説の開始時間を48年ぶりに変更してまで断行した「朝の大改編」の目玉のひとつという位置づけだった。課された命題は、NHK離れが進んでいたアラフォー女性の奪還。約15年間続いた前番組の「生活ほっとモーニング」は60代以上がターゲットで、それより下の主婦層は民放の情報番組に流れていた。そこで、アイドルの井ノ原と、ニューヨーク特派員として勤務していた有働アナという主婦層にアピールできる2人が司会に選ばれた。

 当時、民放各局に警戒感はそれほどなかった。ある朝の人気情報番組を立ち上げた民放幹部が「NHKが中途半端に民放に近づけようとしても絶対に成功しない」と断言していたのを覚えている。

 ただ、あさイチは予想以上に「中途半端」ではなかった。それまで、民放の情報番組でさえ取り上げようとしなかった「セックスレス」や「閉経」「不妊」「子宮」などのテーマを次々に特集。大きな反響を呼んだ。

 司会コンビのやり取りも人気だった。ともすれば視聴者に嫌悪されかねないテーマもあったが、有働アナは物怖じせずに本音で語り、井ノ原はそれを柔らかく受け止めた。番組関係者は「2人だからこそ挑戦的な番組を成功に導くことができた」と振り返る。「生活ほっと…」の視聴率は7%前後だったが、「あさイチ」は開始1カ月で10%超を記録。「朝の情報番組戦争」と言われる激戦区で、ライバルを寄せ付けず視聴率トップを走っている。

 日本の朝に“革命”をもたらした名コンビ。また別の番組でタッグを組んで、テレビの常識を変えてもらいたい。(記者コラム)

続きを表示

2018年2月5日のニュース