【夢中論】平祐奈　手芸にはまる「モノ作りが大好き」　私のアモーレは…

[ 2018年1月9日 09:30 ]

　今年、大きな飛躍が期待される女優の平祐奈（１９）。現役女子大生でもあるが、趣味はなかなか渋め。昨年の夏から手芸にのめりこみ、ポーチと巾着を縫い上げた。「あまり器用ではないけど、モノ作りが大好き」。大切にしているのはモノに込める心だ。

　赤地に白いアルファベット柄のポーチと巾着。縫い目はたどたどしいが、ポーチにはチャックもつけた。「雑ではあるけど、初めてにしてはうまくできたかな。今日はこのポーチにお菓子を入れて持って来ました」。一針一針、一生懸命に縫った糸を手でたどりながら目を細めた。

　作ろうと思い立ったのは昨年の夏。「ふとした思いつき。趣味を増やしたくなって」。すぐに手芸専門店に行き、気に入った生地を買い込んだ。ちょうど、ヒロインを務める映画「未成年だけどコドモじゃない」（公開中）がクランクインするタイミング。撮影の合間、移動中、プライベートの時間を使ってチクチクと縫い続けた。

　「大学で休み時間に縫っていたら、隣に座っていた男の子の足に針をブスッと刺しちゃって。“イッテー！”って怒られました」。縫い物をするのは小学校の家庭科以来。チャックをつけるのや巾着のひもを通すのに苦戦しながらも、ほぼ我流で仕上げた。「縫うのに夢中になって、新幹線に乗っている３時間があっという間でした」

　昨年一年に公開された出演映画の本数は計８本。売れっ子女優であると同時に現役女子大生の顔も持ち、多忙な毎日を送る。「縫い物をしていると無心になれる。切り替えられるのがいいですね」

　次に作ってみたいのが、おむつ入れ。サッカー日本代表の長友佑都（３１）と結婚し、第１子を妊娠している姉でタレントの平愛梨（３３）にプレゼントするためだ。「姉に“ポーチと巾着を作ったよ”と伝えたら“凄いじゃん！”と言ってくれました。でも、姉は器用だけどモノ作りにあまり興味がないタイプ。私は正反対で、モノ作りが大好きだけど、あまり器用ではないです」

　モノ作りが好きなのは、６人の子供を育てた母親の影響が大きい。「母はなんでも手作りがいいという人。母が作ったセーターを着ると、やっぱり“温かさ”を感じる。私もいつか結婚した時は、なんでも自分で作りたい」。手作りにこだわるのは、モノに込める心を大切にしているからに違いない。

　６人きょうだい（女性２人、男性４人）のうち、愛梨が上から３番目の長女。元俳優で東京都議会議員の平慶翔氏（３０）が４番目の三男で、自身が末っ子。自分以外のきょうだい５人は、長友との“アモーレ婚”で話題になった愛梨を含め全員が既婚者だ。「結婚っていいなと思います。見ていてほほ笑ましい。私にもアモーレはいると信じたい。今はやりたいことがたくさんあるので結婚はまだまだ先ですけど、私のアモーレは少しおじいちゃんっぽい、古風な人がいいです」

　芸能界入りしたのは小学６年の時。愛梨の影響で演技に興味を持ち、是枝裕和監督の映画「奇跡」（１１年公開）のオーディションに合格してデビューした。以来、映画やドラマの出演が相次ぎ、現在抱えるＣＭは５本に上る。

　仕事の夢や目標は、毎年買い替えるスケジュール帳の１ページ目に書き込んでいる。「お着物のカタログの仕事がしたい」「あの監督と一緒にお仕事がしたい」「あのＣＭに出演したい」。実現すると、その項目の横に「かないました。ありがとう」と感謝の言葉を記している。

　「高校１年の時にスケジュール帳を持ち始めてから、ずっと続けてます。新しいスケジュール帳を使い始めた時は“今日から使わせてもらいます。よろしくね”と書いてますよ」。昨年はスケジュール帳が感謝の言葉で埋め尽くされた一年になった。「初めて海外の映画祭に行けたし、初めて髪を染めることもできたし、初めてウエディングドレスを着ることもできた。初めて尽くしの一年で、凄く充実していました」

　２０歳を迎える今年のスケジュール帳にはどんな書き込みをするのか。「制服を着ることができる間はいっぱい着たい。悪役にも挑戦したい。あと、やってみたいのが時代劇アクション。いつか日本の文化を紹介できるような女優さんになりたいです」。一つ一つの仕事に心を込めて、大きな夢に向かっていく。

　≪お嬢さま役「楽しかった」≫ヒロインを務める映画「未成年だけどコドモじゃない」は、高校生同士の結婚から始まる恋愛バトルを描くラブコメディー。わがまま放題に育った大富豪のお嬢さま役で、平は「とにかくポジティブな役なので演じていて楽しかったです。悩みがないのは私と一緒。末っ子気質なのかな」と自分に重ね合わせた。Ｓｅｘｙ　Ｚｏｎｅの中島健人（２３）、Ｈｅｙ！Ｓａｙ！ＪＵＭＰの知念侑李（２４）と共演。「２人とも違ったタイプの方で演じていて面白かったです。中島さんは普段から王子様タイプで、知念さんは優しいお兄さんのようでした」と振り返った。

　◆平　祐奈（たいら・ゆうな）１９９８年（平１０）１１月１２日、兵庫県生まれの１９歳。女優デビュー後、テレビ東京「おはスタ」やＮＨＫ・Ｅテレ「Ｒの法則」にレギュラー出演。映画「貞子３Ｄ」やＮＨＫドラマ「胡桃の部屋」などにも出演した。血液型Ｏ。