否定発言は“お約束” フジテレビ「みなおか」終了発表の裏

[ 2017年12月12日 10:40 ]

フジテレビ社屋
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 フジテレビの長寿番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」が来年3月で終了すると7日の同番組内で発表された。番組終了は先月3日付のスポニチ本紙が報じていたが、今月1日の同局定例会見で石原隆編成局長が「事実ではありません」と報道を否定。そのわずか6日後に一転する形となって波紋を呼んだ。

 実際には石原局長は「事実ではありません」と報道を否定した後、「先々の話ですので何も決まっていないという状況です」と付け加えていた。局側としては30年以上にわたって局を支えてきてくれた番組の終了を、出演者や番組が発表する前に認めることはできない。会見を何度も取材してきた側からしても、こういった時に局側が否定するのは“お約束”。むしろ、わざわざ「先々の話ですので何も決まっていない」と付け加えたことの方が重要ととらえた。実際、会見翌日の新聞で「事実ではありません」という発言を報じた社はひとつもなかった。

 一方、定例会見での発言が次々に速報されるネット上のニュースサイトでは「終了は事実ではない」と報じられ、その見出しが拡散していった。そこから想像を膨らませたのだろうか、様々な芸能プロダクションが局に働きかけた結果、番組の継続が決まったという記事を掲載したニュースサイトもあった。終了発表がもっと遅ければ、さらに憶測は広がっていたに違いない。

 出演者や番組スタッフの思いを尊重しようとするのは局として当然のことだと思う。ただ、そのための発言が“フェイクニュース”に発展し、逆に出演者や番組のイメージを傷つけたのでは意味がない。ネット上で速報合戦が繰り広げられているテレビ局の定例会見では、以前にも増して言葉に注意が必要だ。(記者コラム)

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