満足度も好調「陸王」支える熱きオヤジたち 男性視聴者の感想も熱く 女性層引っ張る

[ 2017年11月5日 10:00 ]

TBSドラマ「陸王」に出演する(左から)山崎賢人、役所広司、竹内涼真
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 TBS日曜劇場「陸王」(日曜後9・00)が好調だ。初回視聴率14・7%は秋ドラマ3位、第2話も選挙特番の影響で1週遅れとなり、同時間帯にプロ野球・日本シリーズが放送されていたにもかかわらず14・0%と数字をキープした。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 データニュース社(東京)の「テレビウォッチャー」が行っている満足度調査(対象2400人)でも、初回満足度は3・98(5段階評価、高満足度の基準は3・7)とTBS「コウノドリ」(満足度4.05)に次ぐ秋ドラマ2位で、視聴率20%近くを記録しているテレビ朝日「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(満足度3・92)を上回っている。その好調を支える秘密の一つに “オヤジたち”の存在がありそうだ。

 堺雅人主演「半沢直樹」(13年)、唐沢寿明主演「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年)、阿部寛主演「下町ロケット」(15年)に続く池井戸潤氏原作の人気シリーズの最新作。主演はシリーズ最高齢となる61歳の役所広司が務めており、これまで以上に“オヤジ度”が高くなっている。

 役所は老舗足袋屋を立て直すべく情熱を燃やす社長を茶目っ気たっぷりに演じ、一歩間違えれば暑苦しいだけになってしまうキャラクターを“かわいいオヤジ”に見せることに成功している。第2話からは、物語のキーパーソンとなる寺尾聡(70)が本格的に加わり、2人が協力し合ってマラソンシューズ開発に情熱を注いでいく展開となり、オヤジ度がさらに高まった。特に秋ドラマは「ドクターX」などカッコいい女性主人公が目立っているため、熱くなるオヤジたちの背中がかえって新鮮に映り、満足度を高めたのだろう。

 視聴者から寄せられたオヤジたちへの感想も熱い。「大企業に作れないものを作ってほしい」(41歳・男性)「銀行の非情さをバネに頑張ってほしい」(54歳・男性)「企業再生という筋立てが面白く、役所広司の演技もいい」(69歳・男性)など、どこか自分の生きざまと重なりあう部分があるのだろう、過去の池井戸作品とコメントの傾向が似ている。

 男性も見たいと思う作品は、ドラマ視聴者の機会が男性より多い女性層も引っ張るため、視聴率、満足度がおのずと高くなっていく。今作も初回の男性満足度4・06に対し、女性も3・93と引けを取らない。この数値は21時・22時台に放送している秋ドラマでトップ。オヤジたちが熱くなればなるほど、障がいが大きければ大きいほど、視聴者の方もさらに熱を帯びてくる。

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2017年11月5日のニュース