【ドラマ座談会】分かっていても心に刺さる「陸王」、聞き逃すまいディーン様の親父ギャグ

[ 2017年10月22日 11:30 ]

秋ドラマに出演中の(左上から時計回り)綾瀬はるか、武井咲、役所広司、神木隆之介、浅野忠信
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 一気に冷え込んで夏の疲れがどっと出るころ。秋ドラマで心身癒される夜も…。スポニチアネックス記者が初回を観て感想を語り合う「座談会」。今回はこの4作品。

 ――まずは、池井戸潤氏原作ドラマ「陸王」(TBS系)。老舗足袋業者が会社存続を懸け、ランニングシューズの開発に挑む企業再生ストーリー。

 S記者 池井戸作品はおじさんの心に突き刺さる。ドラマと分かっていても込み上げてくるものがある。思わぬ“収穫”は連ドラデビューの阿川佐和子。姉御肌だがかわいらしく、キーマンの一人になるような気がする。

 K記者 同枠の「下町ロケット」とかぶるというか。ただ、それがこういうドラマの良さなのかも。先が読める感じが逆に安心して見られる部分でもあるというか。

 R記者 ストーリー自体は想像通りといえば想像通り。過去作のヒット要素を機械的に盛り込んだような仕上がりで、少しマンネリに感じるところも。池井戸作品の魅力は「悪役」。初回は各人とも本領を発揮していなかったので今後が楽しみ。

 Y記者 役所広司と山崎賢人の親子関係の変化も見ていきたい。「下町…」も、最初は土屋太鳳が演じた主人公(阿部寛)の娘も親に反発していたし。子の成長は、親目線で見てしまう。

 ――綾瀬はるかのアクションも話題の「奥様は、取り扱い注意」(日本テレビ系)。

 Y アクション映画のような冒頭シーンに引き込まれた。「チャンネル間違えたか?」って思うくらい。その後の展開もスピーディーで、巧みな演出にハマってしまった。

 K 綾瀬演じる主人公が、ある国家の特殊工作員っていう設定が面白い。「CRISIS」「SP」で知られる金城一紀氏が企画・脚本の作品だけある。主人公のちょっとズレる感じが綾瀬にもかぶって、ほっこり。

 R 物語自体は、コメディー要素もある勧善懲悪の内容。水曜日ドラマとしてはちょうどよいのかなと。個人的に気に入っているのは、綾瀬がムードを作って西島秀俊演じる夫に夫婦生活を迫るシーン。あの手この手で衣装などをアレンジしながらシリーズ化してくれると男性としては助かる。

 N記者 夫婦の営みについて「一度途切れると、二度とそれは戻ってこない」…。まさに格言。ちなみに旦那はいませんが。

 ――浅野忠信と神木隆之介が演じる刑事が“真の正義”を追う「刑事ゆがみ」(フジテレビ系)。2人の凸凹コンビぶりはどうだった?

 K 会話のリズム感がとてもいい。何より、神木くんが刑事ものをやるような年齢になったんだなと、妙にしみじみ。

 N 出世欲を隠さない刑事役に、大人の男としての部分を感じて新鮮。その分、“童貞イジリ”はキュンとくる。

 R 浅野は相変わらず渋い。セリフ回しもすべてが自然で、キャラクターにドはまりしておりさすがの貫禄。自分のような若手社員としては、今作の浅野のような“アウトローな上司”という存在は、やはりあこがれ。

 Y 適当というか破天荒というか、強烈キャラ刑事役の浅野がいい感じ。同局4月期ドラマでハッカーを演じた新木優子もそうだったけど、今作の山本美月も含めて、最近のハッカーはやたら美人が多いのは気のせい?

 ――最後はディーン・フジオカと武井咲がW主演の「今からあなたを脅迫します」(日本テレビ系)。

 R 全体を通して非常に漫画的で、アジト周辺やバーの中華風の雰囲気が作品に映像的な楽しさを与えていた。ディーンの若干の頼りなさもうまく表現できていたが、やはり立ち姿のかっこよさは圧倒的。一方で妊娠報道があった武井の所作が気になってしまう。良くも悪くも凛とした印象があるので、今作のようなふわっとした女子大生役は挑戦だと思う。

 Y 武井は前クールの「黒革の手帖」が評判だったけど、個人的には「東京全力少女」のようなちょっとコメディー系の要素があるドラマのキャラの方が好きなので、今作の役どころは歓迎。そしてやっぱり、ディーンは安定のかっこよさ。

 K どの層をターゲットにしているのかちょっと分からないけれど、ディーン様の鑑賞用としても楽しめる。

 N 3人でハイタッチするにもバラバラだったりと、息が合ってるのかよく分からないようで、仕事はきちんとこなす「脅迫屋トリオ」の関係性は嫌いじゃない。ディーンが時々かますオヤジギャグも聞き逃せない。「飛んで火に入る夏木マリ」。今度どこかで使おう。

【座談会参加者】S記者=40代男性、鮪王。N記者=40代女性、芋王。K記者=40代女性、踊王。Y記者=30代男性、ラ王。R記者=20代男性、顎王。

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2017年10月22日のニュース