「ひよっこ」沢村一樹“爽やかな父”で新境地!自身のキャラ利用「純愛」体現 

[ 2017年9月24日 09:00 ]

NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」、妻の美代子(木村佳乃)と寄り添う沢村一樹演じる実(C)NHK
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 NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」(月〜土曜前8・00)で、ヒロインの谷田部みね子(有村架純)の父・実を演じる俳優の沢村一樹(50)。NHKのコント番組「サラリーマンNEO」で「セクスィー部長」のイメージがついている沢村だが、みね子ら家族から愛される爽やかな父親を好演。「(妻の美代子との)純愛モノだと思って演じています。僕のイメージがだいぶ邪魔している自覚はあります」としながらも「逆に(自分の)キャラを利用しているところもあった。イメージを払拭できたかどうかは皆さんにお任せします」と笑顔で語った。

 沢村が演じる実は、奥茨城で生まれ育った真面目で責任感の強い父親。家族を養うために単身東京で出稼ぎを行うが、仕送りするはずだった給料を強盗され、その際の精神的なショックで記憶を喪失。物語の序盤で行方知れずとなってしまった。第42話(5月20日)から、再登場する第83話(7月7日)までおよそ1カ月半、回想シーン以外での出演がなかったため「どこに行っても(視聴者から)『ここにいた!』『(家族の元に)早く帰ってあげてください』と言われて。その時、皆さんは実さんが記憶喪失だってことをまだ知らないので、ずっといろんな人の質問をはぐらかして生きてきました」と思いがけない反響があったことを明かした。

 再登場後も記憶を失っている状態が続いたが「僕が聞いたのは、家族に迷惑を掛けてしまった、というショックから記憶喪失になったことだけなんです。その症状なりを調べていたので、演技では悩まなかったです」と戸惑いはなかった。「ただ、記憶が完全にないってことは、素の実さんが出てくると思うんです。全てを取っ払った、ありのままの実さんってどういう人なのだろう、と考えながら演じていました。だから、頭がぼーっとしていても、実さんらしさは失わず、気持ちが沈んでしまわないようにしようと意識していました」と演技の骨子を語った。

 第113話(8月11日)では、実が記憶を失ってから初めて帰郷し、茨城で家族らと田植えに参加。ところが、実際はロケ地での撮影スケジュールの兼ね合いで、5月にこのシーンのみ一足先に撮影されていた。「(5月の時点では)その場面に至るまでの台本が全くなかったんです。これから記憶を失うという展開の基本情報だけ伝えられました」と手探りでの演技。「僕は記憶を失っている状態なのでまだ大丈夫でしたが、木村さんと架純ちゃんは大変だっただろうなと思います」と振り返った。

 インタビュー中も気さくで陽気な沢村だが、妻の美代子(木村佳乃)との恋愛シーンの話になると「僕は純愛モノをやらせていただいていると思っています」と真剣な表情。昨年9月のキャスト発表会で「世間のイメージを払拭したい。爽やかに演じたい」と意気込んでいた沢村は「木村さんが演じてきた明るい美代子さんとなら純愛を表現できると思いました。逆にこの(自分の)キャラを利用しているところもあって、イメージと芝居を180度変えて演じてみたりしました。イメージを払拭できたかどうかは皆さんにお任せします」と謙遜しながらも、視聴者に新しい印象を残すことに成功した。

 沢村は、テレビ東京の人情ドラマ「ユニバーサル広告社〜あなたの人生、売り込みます!」(10月20日スタート、金曜後8・00)に主演。弱小広告会社のコピーライターに扮し、在京民放キー局の連続ドラマ主演を制覇となる。「ひよっこ」で一層、演技の幅を広げた沢村の今後に注目だ。

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