ぱるるのリアルはイワシにある 休日は水族館で群れに魅せられて

[ 2017年9月12日 11:00 ]

夢中論 島崎遥香(上)

水族館でイワシの群れを見つめる島崎遥香
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 女優の島崎遥香(23)は休日、都内の水族館を訪れる。見たいのは、可愛い魚や珍しい魚ではなく、イワシの群れだ。大量のイワシが一方向に動いて竜巻のようになる「イワシトルネード」。見つめていると、心が浄化された気分になる。なぜ、そんなにもひきつけられるのか…。そこに、女優として求めているものが秘められている。

 水族館のほの暗い空間に、青白く光る巨大水槽。その中で数え切れないほどのイワシたちが同じ方向に群泳している。ほとんどの人が短時間で通り過ぎる中、ただ一人、魅入られたように立ち尽くす。気がつくと、1時間以上が経過している。

 「見ている時は、時間が止まっている気がします。集中していて周りの音が聞こえなくなってる。ずっとここにいていいと言われれば、一日中見ていられます。足が痛くなるから、できれば椅子に座りたいですけど」と笑う。

 興味を抱いたのは数年前、まだAKBに在籍していた頃だった。休暇を利用して都内の水族館を訪れると、特に目的にしていたわけではない水槽の前で足が止まった。

 「“お〜ッ!”と思いました。イワシがぐるぐる回っている。みんなが同じ方向に動いている。たまに1匹、別の動きをするのもいるけれど、またすぐに元に戻る。人間って、こんな動きをしないじゃないですか。イワシは何を信じて一つの方向に動いているんだろう?と思いました」

 AKB時代、ファンへの対応が冷めていたことから「塩対応」と言われた。人付き合いがあまり得意ではなく、グループにも全面的に溶け込んでいたわけではなかった。不器用で「ぽんこつ」とも言われた。群れから離れないように必死に泳ぐイワシの姿はまるで島崎自身の投影のようでもある。

 「私自身が水槽の中に入りたいと思ったことはないです。イワシを見ている時の気持ちを言葉にするのは難しい。深いものがあるんです。見ているとスーッとしてくる。浄化されているという感じでしょうか。でも、やはり、その魅力を表現するのは難しい。うまく言葉にできない感じ…。それがいいんじゃないんですかね」

 簡単に言葉で説明できないこと。単純な表現では伝えきれない現実。それこそが女優として強く求めているものでもある。

 ◆島崎 遥香(しまざき・はるか)1994年(平6)3月30日生まれの23歳。埼玉県出身。09年9月、AKB48の9期生オーディションに合格。12年9月のじゃんけん大会で優勝し、12月発売の「永遠プレッシャー」で初センター。15年11月公開の映画「劇場霊」に主演。昨年12月のNHK「紅白歌合戦」出演を最後にAKBを卒業。ドラマ「ゆとりですがなにか」「スーパーサラリーマン左江内氏」などに出演。

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