「ひよっこ」菅野美穂、朝ドラは「舞台と同じ」 世津子がプロレス?珍場面も朝ドラならでは

[ 2017年9月2日 08:15 ]

偶然に再会したみね子から実の近況を聞く世津子(菅野美穂)(C)NHK
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 NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」(月〜土曜前8・00)で、昭和の大女優・川本世津子を演じる女優・菅野美穂(40)。「15歳で初めてドラマに出させてもらった時に、親が喜ぶ仕事ができればいいな、と目標になった」と語る朝ドラは「走らんか!」(1995年)「ちゅらさん」(2001年)「べっぴんさん」(16年)に続く4度目の出演。「“朝ドラらしい演技”というものがあって、ある種、舞台と同じでスタジオの中がステージになるんです」と独特な言い回しで朝ドラの魅力を語った。世津子の素顔が明かされていく第23週(9月4〜9日)について「面白い化学反応が出る」と期待した。

 菅野にとって朝ドラ出演は目標の1つだった。15歳の時に「ツインズ教師」(93年、テレビ朝日)で女優デビュー。幼少期に母親が朝ドラの金字塔「おしん」(83年)を熱心に見ていた姿を思い出し「親が喜ぶ仕事ができればいいな、と思って目標になった」。95年の「走らんか!」で初の朝ドラ出演を果たし「親が喜んでくれたのがうれしかったですね。(女優として)出てみたいという思いもあったんですが、本当に強烈な経験でした」と刺激を受けた。「リアクション(のタイミング)をずらしたり、大きくしたり“朝ドラらしい演技”というものがあって、ある種、舞台と同じでスタジオの中がステージになるんです」と、その特徴を表現し、「(オーバーリアクションの一方で)自然に演じることを考えることも大事なんですけど…」と難しさを口にした。

 その一方で、朝ドラならではの魅力も感じている。「普通のドラマだとぶっ飛んでいる内容でも、朝ドラだとできてしまうんです。こういう役の人がこういうことを言わないだろうということを、言ってみると面白い化学反応が出たりする。そこが長く、丁寧に描かれる朝ドラの面白さだと思います」。今作で演じる世津子も第23週以降に変化する。

 世津子はヒロインの谷田部みね子(有村架純)と、記憶を喪失し行方不明となっていた父・実(沢村一樹)を引き合わせた物語のキーパーソン。菅野自身が「基本的には警戒心が強くて、タフな人」と評する凛とした立ち居振る舞いの昭和の大女優で、みね子を取り巻く和やかな物語の中でも、ひと際目立つ存在感を放ってきた。

 第131話(9月1日放送)で、世津子の金銭スキャンダルが週刊誌で報道されたことが発覚。第23週では、みね子が苦境におちいった世津子を助けることを決意し行動に出る。今後の世津子について問われると、菅野は「愛子さん(和久井映見)とプロレスしたりするんです」と意外すぎる展開を予告。視聴者の想像が及ばないシーンだが「朝ドラはシリアスとコメディーを行ったり来たりできる」と戸惑いはなかったようで、尊敬する和久井との“競演”を「プロレスを一緒にできた時はすごく楽しかったですね。(和久井の)足を触るので、収録の前の日から緊張してしまって。変な緊張感でした」と笑顔で振り返った。

 一連の展開で変化するのは世津子だけではない。菅野は、世津子を救うこととなるみね子について「どのような人が相手でも丸くふんわりと受け止める、あのほんわかとしたみね子さんが、助けの手を差しのべてきた時にはジャンヌ・ダルクに見えて、とても素敵でした」と目を細め「何とも言えない優しい気持ちになる『ひよっこ』らしい場面になっています」と語った。

 シリアスな場面での登場が多かった世津子だけに「幸せになってほしい」と願う視聴者は少なくない。みね子宛に書いた手紙がひらがなばかりであった理由が、小学校にすら行けていなかった過去にあることが第125話(8月25日放送)で明らかになるなど、徐々にベールを脱ぐ世津子の素顔が「朝ドラならではの化学反応」でさらに解きほぐされていくことになりそうだ。

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