梶原一騎氏に感謝 ちばてつや氏&川崎のぼる氏“しのぶ会”で語り合う

[ 2017年8月7日 05:30 ]

梶原一騎氏を語った(左から)ちばてつや氏と、川崎のぼる氏。司会は「はじめの一歩」の森川ジョージ氏が務めた
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 昭和40年代の劇画ブームをけん引した漫画原作者で、1987年に亡くなった梶原一騎氏をしのぶ「絶筆30年 SO!一騎集会」が6日、都内で開かれ、梶原氏が原作を手掛けた「あしたのジョー」のちばてつや氏(78)、「巨人の星」の川崎のぼる氏(76)の両漫画家が連載当時の思い出を語った。

 漫画史に残る名作スポーツ漫画を描いた両巨匠が、公の場で梶原氏を語り合うのは初。

 梶原氏の原作を、川崎氏は「小説のようで素晴らしかった。絵が負けていると言われたくなくて、梶原さんと勝負している気持ちだった」と振り返った。この「巨人の星」のヒットで人気作家となり「男にしてもらった」と感謝した。

 原作に対する両氏の姿勢は対照的で、川崎氏は「ほとんど会うことはなかったが、想像力がどんどん膨らみ、それを絵にした」という。一方、ちば氏は「分からない部分があると、すぐ会いに行った。六本木のバーで、トリプルクロスカウンターの説明を、お互いの腕を交えて話していたら、警察を呼ばれた」と振り返った。

 ともに伝説的な最終回の原作を、川崎氏は「“そして飛雄馬は去って行く”とだけ書いていた。私は飛雄馬の背に教会の十字架の影を背負わせた。梶原氏は雰囲気などには何も言わなかったね」。ちば氏は原作を大幅に変更。「その後、梶原氏に会った時“いいラストだった”と握手されたが、力いっぱい握られて凄く痛かった」と苦笑い。

 ちば氏は「当時、私は独自でボクシング漫画を描く気でいて、梶原氏と組むのを何度も断っていた」とも明かした。タッグを組んだいきさつを「編集者に別の用事で池袋のバーに呼ばれて行くと、サングラス姿で大きな体をした梶原さんが立ち上がり“よろしく”と握手された。断れなかった」と懐かしんだ。

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2017年8月7日のニュース