藤井四段15歳初戦白星ならず プロ最長219手も…2敗目

[ 2017年7月22日 05:30 ]

準々決勝で敗れた第2回YAMADAチャレンジ杯の感想戦で苦笑いの藤井四段(左)
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 史上最年少棋士・藤井聡太四段(15)は21日、東京都渋谷区の将棋会館でさされた一般棋戦の上州YAMADAチャレンジ杯準々決勝で三枚堂(さんまいどう)達也四段(24)に敗れ、プロ通算2敗目を喫した。2日にデビュー以来の連勝が29で途切れて以降は2勝2敗。15歳の初陣は飾れなかった。次局は24日の棋聖戦1次予選で西川慶二・七段(55)と対戦する。

 最後は上着を羽織る余裕もなかった。19日に15回目の誕生日を迎えてから初の公式戦。プロ最長となる219手目を三枚堂に指され、天才棋士はペコリと頭を下げた。「終始自信がなかった。終盤が長い将棋でしたけど…最後は押し切られてしまいました」。2つ目の黒星を静かに受け止めた。

 振り駒で後手に甘んじる。それでも相手の採用した作戦は角換わり。これは藤井の得意戦法だ。慎重に駒組みを行い、一見堅い守りを築き上げたようにも見えた。だが「序盤はこの形でやってみようと思っていた」と明かす三枚堂が一枚も二枚も三枚も上手だった。この大会は持ち時間20分の早指し戦。藤井が時間を使い切り30秒将棋になった64手目の時点で、相手は12分を余していた。秒読みに追われる形で焦りが生じたか、上部脱出を試み入玉模様を模索。しかしこれも相手の巧妙な待ち伏せシフトに阻まれ、中盤以降は八方ふさがり状態だ。

 仕方なしに相手王に単騎の攻めを繰り返すものの、いずれも丁寧な受けにより手が続かない。根拠の薄い粘りではさしもの神童もお手上げだ。「負けないように気持ちを入れて指そうと思っていた」という三枚堂の気迫に屈した格好となった。棋界新記録の29連勝を達成し、節目の30連勝に挑みながら「壁」として立ちはだかったのは2日の佐々木勇気五段(現六段)。三枚堂は師匠こそ異なるが、千葉県柏市で幼少の頃から棋力を競った僚友でもある。「一門」と言ってもいい両人に対し、これで2戦2敗。プロの先輩たちによる包囲網がジワジワと迫っている。

 「負けてしまったことは残念ですけど、今は強くなるということが最優先の時期だと思っています。それに向けて頑張ります」

 今後は棋聖戦などを経て、8月4日には王将戦1次予選決勝も控える。タイトルに近づくチャンスは依然として残っている。

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