文枝“日本一の高座” 創作落語奉納、演目は「富士山初登頂」

[ 2017年7月14日 05:30 ]

富士山頂の浅間大社社殿で、創作落語「富士山初登頂」を披露する桂文枝
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 落語家の桂文枝(73)が13日、富士山頂で創作落語を奉納した。午前4時15分、富士宮口5合目を出発。標高2400メートルで1時間、高度順応した後、登山を開始。山頂までの4ルート中、最も高い標高から最短ルートで挑んだが、途中風雨に見舞われ、ガイドから「遭難の可能性もある」と言われ、文枝が弱気になる場面もあった。周囲からの「まだ行ける」という声に必死に登り、予定より約2時間半遅れ、午後2時半ごろ、霧に包まれた山頂に到着した。記念撮影では笑顔で「富士山頂へ、いらっしゃーい」と喜びのひと言。その後、羽織はかまに着替え、富士山本宮浅間大社社殿で関係者が見守る中、座布団に正座して演目「富士山初登頂」を披露。「日本一高い高座でやれて、心から御礼申し上げたい」と感謝した。

 同演目は自身275作目の創作落語。2004年、プライベートで富士山登頂に挑戦したが、高山病のため9合目で断念。今回は血中酸素濃度を測定する4万円の機器も購入。無念を晴らした。

 16日で74歳の誕生日を迎えるとあって出発前、「(将棋の)藤井四段とは60歳も違うんですよね。体力も違うし。でも、負けないように、(藤井が対局中に食べる)チョコレートを持って行きます」と笑わせた。

 今回の構想は3月、大阪・なんばグランド花月で開いた芸能生活50周年記念の落語会終了後、表明した。

 文枝は13年3月、沖縄県今帰仁(なきじん)村にある世界文化遺産・今帰仁城跡で初となる落語会を開催。全国100カ所以上で開催する「六代桂文枝」襲名披露公演の一環で、12年10月に比叡山・延暦寺で奉納口上を行い、12月にはパリで公演した。当時、文枝は「世界遺産と落語はよく似合います。まずは日本の世界遺産を制覇したいです」と語り、今回、世界文化遺産登録された富士山での公演が実現した。

 ◇富士山頂での主なパフォーマンス◇

 ▼バイオリニスト・葉加瀬太郎(49) 気温5度の寒さの中、アルバム収録曲「万讃歌」を生演奏。「世界でもこんな高い所でバイオリンを弾いたのは僕だけ」と大喜び(13年8月)

 ▼7人組アイドルグループ・アップアップガールズ(仮) 全国ツアーの成功などを祈願。衣装に着替え1曲のみのスペシャルライブを実施。「アイドル界のトップを狙う」と意気込んだ(14年8月)

 ▼映画「るろうに剣心 京都大火編」大ヒット祈願 主演の佐藤健(28)と同じ事務所の俳優・長尾卓也(29)が登頂。劇場と山頂を生中継で結びファンらを喜ばせた。(14年8月)

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