麻央さん見守って…海老蔵&勸玄くん 父子で宙乗り安全祈願

[ 2017年6月30日 05:30 ]

歌舞伎座「七月大歌舞伎」宙乗り成功祈願修祓式で、玉串を奉納する勸玄君(手前)と市川海老蔵
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 歌舞伎俳優の市川海老蔵(39)と長男の勸玄(かんげん)くん(4)が29日、東京・歌舞伎座で、来月3日からの「七月大歌舞伎」で披露する宙乗りの安全を祈願する修祓(しゅうばつ)式に臨んだ。歌舞伎史上最年少での宙乗り挑戦となる勸玄くんは、22日に母・小林麻央さん(享年34)が亡くなって以来、初めての公の場。父子は天から見守る母に公演の成功を誓った。

 歌舞伎座内で行われた修祓式。稽古着姿の父子はしっかりと手をつなぎ、舞台中央に設けられた祭壇の前に進み玉串を奉納。神妙に頭を垂れて、安全を祈った。

 祭壇から離れて舞台から下りると、勸玄くんは劇場内の宙乗りの装置が気になった様子で、指をさした。海老蔵は身ぶり手ぶりで「あれで飛ぶんだよ」と説明しているようだった。

 父子の宙乗りを見ることは、生前の麻央さんの「大きな目標」でもあった。決して易しい芸ではない。舞台から直線距離にして約20メートル、高さ10メートルの地点まで特別な装置で移動しながら空中で演技をする。危険を伴うため、稽古も念には念を入れる。海老蔵も修祓式の後に更新したブログで「あの高さ怖くないか…。大人でも怖いですよ」と息子を気遣うほどだ。

 大人の心配をよそに元気そうな勸玄くんに、関係者は舌を巻く。「大変な思いをしたのに…難しい稽古でも笑顔を見せながら奮闘してます。本当に感心しますし、涙が出そうになります」

 強く見えてもまだ4歳。稽古初日の前日だった26日には、出演を嫌がった。何とか周囲が説得したが、海老蔵は「母を失い、そして大舞台をさせること、本当にすまない判断だった、酷な結果となったと反省しています」とブログに記した。

 しかし、それを乗り越えると、生き生きと稽古に臨んだ。そんな息子に海老蔵も元気をもらっている。28日のブログでは「きょうもせがれの笑顔で救われました」とつづった。

 来月27日まで約1カ月間続く公演。海老蔵は「一緒にがんばろう。ママがお空から見ててくれるはず」とブログで語りかけた。ママに見守られ、父に支えられながら勸玄くんは舞台から舞い上がる。

 ▽駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん) 夜の部の通し狂言。成田屋として170年ぶりとなる復活上演。天下を狙う大盗賊・日本駄右衛門と、それを阻止しようとする玉島幸兵衛の戦いを描く。しかし、火伏せの神・秋葉大権現の力を借りた駄右衛門は強大で…。海老蔵は駄右衛門、幸兵衛、秋葉の3役に挑む。注目の宙乗りは2幕のクライマックス。秋葉大権現と、その使い白狐(びゃっこ、勸玄くん)が天高く舞い上がる。

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