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IT進化で変わりゆく将棋と新聞社の関係性 今後はいかに

棋王戦予選決勝で澤田真吾六段(右)と対局する藤井聡太四段
Photo By 共同

 将棋好きは、新聞を読む。新聞業界にとって希望に近い思い込みも、どうやら通用しない時代がやってきたのかもしれない。

 「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴ主催の将棋棋戦「叡王戦」がタイトル戦に昇格することが、5月中旬に発表された。これまで2期実施された叡王戦は、「電王戦」でコンピュータソフトと対戦する棋士を決めるための予選だった。将棋のタイトル戦が新設されるのは1983年将棋の王座戦以来34年ぶりで、今後は「8大タイトル戦」となる。

 これまで将棋のタイトル戦は、全て新聞社や通信社が主催してきた(女流棋戦を除く)。新聞社にとって、将棋や囲碁は長らく高い人気を誇るコンテンツだ。将棋欄には1年を通して、予選を含めたタイトル戦の観戦記を連載する。タイトル戦の番勝負では、主催社が棋譜を独占的に掲載。切り抜いて保存したり読み返すことが可能で、紙面に掲載するメリットは大きかった。

 一方で、将棋の対局は動きが少なく、映像としては不向きと考えられてきた。だが、CS放送やネットなどの多チャンネル時代には、一定の需要が見込める。また工夫を凝らした解説や企画で付加価値をつけ、新たなファンを開拓してきた。

 かつては常識だった「棋譜は主催社のもの」という考え方も、現在は崩れつつある。現在はパソコンやスマホがあれば、簡単に対局映像や棋譜中継を見ることができる。ファンにとっては対局者が感想戦を行うのと同時どころか、勝負が決する前に指し手のよしあしを議論することが可能だ。2日に藤井聡太四段(14)がデビュー20連勝を達成した対局では、終盤に日本将棋連盟のモバイル中継がダウン状態になり、土壇場で展開が分からず一部のファンが大騒ぎした。もはや棋譜は見られて当たり前の時代になっている。

 この構図はプロ野球の歴史にも似ている。かつて球団のオーナー企業といえば沿線に本拠地球場を置く鉄道会社が主流だったが、撤退が相次ぎ、現在はIT系の企業が席巻。新しい発想のコンテンツを提供している。

 確実に棋譜が見られるという優位性を失った新聞社。抜群だった将棋との相性は、これからどのように変化していくのだろうか。

[ 2017年6月3日 11:30 ]

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