高見沢俊彦が語るムッシュ 外国人アーティストの手法取り入れ独自の曲に

[ 2017年5月3日 07:30 ]

ムッシュかまやつさんお別れの会

報道陣の質問に応えるTHE ALFEEの(左から)桜井賢、坂埼幸之介、高見沢俊彦
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 1970年代にかまやつさんのバックバンドを務めたのがTHE ALFEE。リーダーの高見沢俊彦(63)がムッシュさんの優れた音楽性についてスポニチ本紙に語った。

 ムッシュはとにかく情報が早くて、流行を先取りしていた。日本人で誰よりも早くビートルズを聴いていたんじゃないかな。「FEN」っていう在日米軍関係者に向けた全編英語の放送をよく聴いていて、そこでビートルズを知ったと言っていた。聴いた音楽をすぐにスパイダースに持ち込んで演奏していたっていうし、ビートルズを先取りした先駆者だった。

 とても器用で、初のソロアルバム「ムッシュー/かまやつひろしの世界」(70年)は全てのパートを1人で演奏したんだ。ギターもドラムもピアノも。「一人多重録音」っていうんだけど、日本では初めてだった。ギターのコードも計り知れないほど知っていて、僕らは「ムッシュコード」って呼んでいたよ。

 専門的に言えば、ギターのリフ(繰り返しフレーズ)で日本で最初に作曲した人だと思う。スパイダースの「バン・バン・バン」(67年)はまずギターでフレーズを作ってから、そこにメロディーを乗せて作曲した。欧米ではローリング・ストーンズの「サティスファクション」(65年)のようにギターリフで作るケースが多いから、ムッシュの作る曲ってとても洋楽っぽい感じだった。

 当時は遠い存在だった外国人アーティストを手本に、その手法をいち早く自分の中に昇華してオリジナル作品を出していた。それがムッシュの大きな功績だと思うよ。

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2017年5月3日のニュース