月9「貴族探偵」岡山天音“ゆとり刑事”で存在感 生瀬勝久と運命的初共演

[ 2017年5月1日 10:00 ]

「貴族探偵」で“ゆとり刑事”を好演している岡山天音(C)フジテレビ
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 俳優の岡山天音(22)がフジテレビ「貴族探偵」(月曜後9・00)にレギュラー出演。“ゆとり刑事”を好演し、豪華キャストの中で存在感を示している。上司役の生瀬勝久(56)とは0歳時から縁がある運命的な初共演。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(月〜金曜前8・00)への出演も決まった若手注目株だが「とにかく今は、それぞれの役を楽しんで、シンプルに、今まで通り全うすればいいんだと思います」と浮つくことなく役者道を邁進する。

 「貴族探偵」は、1987年4月からドラマ枠になった同局の看板枠「月9」の30周年を飾る作品。原作は、2011年に「隻眼の少女」で日本推理作家協会賞に輝くなど、推理小説の常識を覆す作品を世に送り続けている俊才・麻耶雄嵩(まや・ゆたか)氏の「貴族探偵」「貴族探偵対女探偵」。召使いに推理を任せ、自分は事件関係者の女性と会話を楽しみ、遊びに興じるという異色の探偵(相葉雅紀)を描く。

 岡山が演じるのは、神奈川県警捜査一課の刑事・常見慎吾。ゆとり世代で、仕事に情熱はないが、ソツなくこなす“省エネ勤務”がモットー。生瀬演じる警部補・鼻形雷雨の部下。天然の上司にツッコミを入れ、笑いを誘う絶妙なコンビぶりがSNS上でも評判になっている。

 キャラクターについて、岡山は「常見はベースがツッコミなんですが、ゆとりがゆえにボケに回る時もある」と分析。「それをちゃんと1人の人間として成立させるのは、ちょっと気を付けないと怖いなというのはあったりします。冷静だったり常識的な部分もあるんですが、ものすごく外れている部分もあるという二面性を、1人の人物として一本通して、ちゃんと全話通して持たせるのは気を付けて慎重にやっていかないと、と思っています」と腐心している。

 生瀬とは運命的な初共演になった。「実は僕が見た初舞台が、生瀬さんが出ている作品で。といっても、僕は全く覚えていないのですが」と笑いながら「なぜかというと、僕が0歳の時だったんです。母親が生瀬さんのファンで、生瀬さんを追っかけていたらしくて。なので、小さい頃からテレビに生瀬さんが出ていると『生瀬さんだ、生瀬さんだ』と母親が言うものだから、物心ついた頃から認識していた方なんです。やはり僕の中では、勝手にではありますが、生瀬さんはとても特別な方だったので、しかも今回は先輩、後輩という役柄でもあるので、すごく縁を感じる作品だと思っています」と感慨深げに話した。

 小さい頃から大好きだったNHK「中学生日記」のオーディションに2009年、中学3年の15歳の時に参加。芝居うんぬんよりも番組自体に興味があったが「現場初体験がものすごく新鮮なことばかりで、ものすごく楽しくて。もっと(芝居を)やりたいと思いました」。雑誌で調べた現在の所属事務所のオーディションに合格。「思い立ってから実現するまでにトントン拍子だったので、特にそんな決意とか決断とかなく、感情のまま、衝動に従っていったら(俳優業が)始まっていたという感じです」と振り返った。

 TBS「家族狩り」、フジテレビ「すべてがFになる」などで着実にステップアップ。昨年は映画「ディストラクション・ベイビーズ」や斉藤由貴(50)が母親役のCM「au森家シリーズ」に出演し、4月26日に発表されたNHK朝ドラ「ひよっこ」の“東京編”新キャストに名を連ねた。ヒロイン・谷田部みね子(有村)が住むアパート「あかね荘」の人々の1人、漫画家志望の青年・新田啓輔役。既に撮影に入っており、6月から登場する。

 月9、朝ドラと話題作への出演が相次ぐが「チャンスなのだと思うのですが、両方とも撮影が始まってしばらく経った頃、あまりそういうのを意識せず気負わずにやらないと、というのを一番、思いました。欲とかは邪魔にしかならないというのを感じて、とにかく今は、それぞれの役を楽しんで、シンプルに、今まで通り全うすればいいんだと思います」と平常心を大切にする。

 「周りからのリアクションも大きいですし、友達とか家族もめちゃくちゃ喜んでくれるんですが、そういうところに引っ張られると、楽しくないというか、向いているベクトルが大きくずれている気がして、これは誠実じゃないと思って。精神的にも気負っていると疲れてくるし、それだと結局、本末転倒で、いつもよりも縮こまっちゃうと思うので、これだけ両方ともおもしろい役なんだから、素直に、今まで通り全うしようと。結局、そこに戻った感じです」

 役柄とは異なり、地に足のついた若武者。今年、一躍ブレークの年になりそうだ。

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2017年5月1日のニュース