高樹沙耶被告 捜査関係者が指摘した他の著名人の薬物事件裁判との“違い”

[ 2017年4月28日 13:07 ]

判決後、那覇地裁の向かいにある公園の入り口で会見した高樹沙耶被告
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 元俳優や女優、元グラビアアイドル、ミュージシャン、元プロ野球選手ら、著名人による薬物事件の裁判をここ10年ほど取材してきたが、判決は例外なく執行猶予が付いている。いずれも初犯だったからで、法曹関係者は「初犯の場合は一般人でも、1回は更生のチャンスを与えようと、執行猶予付きの判決になる傾向にある」と説明する。

 末期的なほど薬物に依存した有名人でも、判決理由には「本件は大きく報道され、すでに社会的制裁を受けている」という旨の一文が入り、実刑を免れてきた。

 大麻取締法違反(所持)罪に問われた元女優の高樹沙耶被告も例外ではなかった。懲役1年、執行猶予3年の判決。高樹被告が起訴内容を否認してきたため、判決公判では有罪か無罪かに注目が集まったが、那覇地裁は有罪判決を下した。法曹関係者はこの量刑を「妥当」とするが、在京の捜査関係者は「有罪にするなら実刑にすべきだったのではないか」と訴える。

 この関係者が問題だと指摘するのは、高樹被告が昨年7月の参院選に立候補し、医療用大麻の合法化を訴えたこと。

 「医療用とはいえ、街頭演説で大麻の素晴らしさを声高に訴えてきた。その裏では、大麻が使用罪に問われないことをいいことに何回も使っていた(大麻は所持罪のみ)。大麻の味をしめて喧伝していたように映る。これまでの著名人のケースとは違って、ただの末端使用者とは言えない」

 自己使用目的の域を越えていて悪質ということだ。高樹被告は判決後の会見で、合法化活動について「第一線から退く」とした。今後、どう大麻と関わっていくのだろうか。

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2017年4月28日のニュース