円歌さん「ありがとね」で天国に…落語関係者ら400人参列し通夜

[ 2017年4月27日 05:30 ]

祭壇に飾られた円歌さんの遺影
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 23日に結腸がんによる腸閉塞(へいそく)のために都内の病院で亡くなった落語家・三遊亭円歌さん(享年88)の通夜が26日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。桂文枝(73)や林家木久扇(79)ら落語関係者を中心に約400人が弔問した。

 祭壇には菊などが飾られ、新作落語「授業中」で有名なギャグ「山のあな、あな」が花文字で描かれた。人を笑わせるのが大好きだった円歌さんらしいデザイン。弔問客は、70年以上にわたる豪快でにぎやかな落語人生を思い出しながら別れを惜しんだ。

 遺影は数年前に東京・国立演芸場での高座姿。弟子の三遊亭歌之介(58)は「この頃はふっくらして肌つやも良かったので一門とおかみさんとで話し合って決めました」とした。棺の中には「道」と書かれた愛用の扇子、手ぬぐい、草履、さらに一番高価な黒の紋付き袴(はかま)が入れられた。

 喪主を務めた妻の令子さん(72)は「最後の言葉は、ありがとね、でした」と涙を浮かべた。今年に入ってから体調は思わしくなかったが「亡くなる2日前には凄く元気で、ビールも飲んでいたくらい」と明かす。弟子たちとも「これならまた寄席にも出られるね」と話し合っていた直後に倒れたという。令子さんは「わがままで女の人も好きだったけど、優しくて面白い人でした。幸せな人生だった、と言ってました」と振り返った。

 最後まで高座にこだわった円歌さんは5月27日に漫談師のケーシー高峰(83)と「米寿を祝う会」に出演予定だった。当日は追悼公演となり、弟子とケーシーによる座談会のほか、三遊亭若円歌(70)が円歌さんの名作落語「中沢家の人々」を披露する。三遊亭小円歌(56)は「中沢家のネタも聞き納めになると思います」と説明。演芸ファンにとって忘れられない会になりそうだ。

 ▼主な参列者 桂米丸、桂文枝、柳亭市馬、林家木久扇、柳家小さん、桂文治、柳家権太楼、鈴々舎馬桜、三遊亭小遊三、林家たい平、三遊亭好楽、金原亭伯楽、月の家円鏡、橘家蔵之助、八光亭春輔、林家正雀、春風亭柳橋、柳家小はん、柳家小満ん、林家三平、青空球児・好児、林家ペー、綾小路きみまろ、鳩山由紀夫(元首相)、小倉智昭、夏樹陽子 (敬称略、順不同)

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