海老名香葉子さん 円歌さんしのぶ 初代三平と友でありライバルだった

[ 2017年4月25日 05:30 ]

三遊亭円歌さん死去

海老名香葉子さん
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 エッセイストで故初代林家三平さんの妻・海老名香葉子さん(83)も円歌さんの思い出を語った。

 結婚したばかりの頃、三平さんは円歌さんと酒を飲み直すために、よく自宅に連れてきたという。「当時は貧乏だから一升瓶に水を入れて出したの。でも酔っ払っているから2人とも機嫌良く水を飲んでいました」と笑い話を明かした。一方でライバルでもあった2人。「三平は、円歌さんに負けたくないという気持ちから一生懸命、新作落語を作っていました」と振り返る。今も若い落語家の高座を見ると、2人の影響を感じるという海老名さん。「芸が受け継がれているのはうれしいですね」と話した。

 ▼落語協会顧問三遊亭金馬 兄弟分のような存在。一番けんかをしたし遊び仲間で、威勢のいい面白い男だった。いつでもふざけ合っていた仲だった。同じ頃に真打ちに昇進し、襲名したこともあり、いろんな縁があった。亡くなったことに実感が湧かない。でも、寄席に行っても会えないのだろう。さみしい。

 ▼落語協会最高顧問鈴々舎馬風 落語界にとって大きな損失で、とにかく寂しい。林家三平(先代)と三遊亭歌奴(後の円歌)が巻き起こした昭和の落語ブームはすさまじかった。どこへ行ってもお客の笑いが止まらないんだもの。弟子入りする若手も急に増えたし、どれだけ落語界に貢献したか。まだ前座だった僕も憧れて、まねしようとしたけど、全部、円歌の落語になっちゃう。あの人はそこにいるだけでよかった。

 ▼上方落語協会会長桂文枝 師匠には私が上方落語協会の会長に就任した時から何かと気にかけてくださり、細かく、優しくご指導くださいました。同じ新作派ということでも可愛がっていただきました。自分は寡作派で練り上げてゆく方だけど、君はたくさん作りなさい。いずれ落語界の財産になるから、と本当に親切にしていただきました。感謝しかありません。

 ▼演芸評論家川戸貞吉さん 二つ目時代から初代林家三平と共に活躍し、あまり客が入らなかった戦後の寄席に大勢の客を呼んだ落語界の恩人だった。全国のどこに行っても爆笑をさらう、客をつかむ力が凄い落語家だった。新作落語派として初めて落語協会会長に就任した功績もある。3代目円歌襲名後は、師匠の2代目が得意とした古典に取り組んだことも印象的だった。

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2017年4月25日のニュース