「貴族探偵」生瀬勝久 月9でも鮮烈刑事像 コミカルさでドラマ独自の役に

[ 2017年4月24日 07:00 ]

月9「貴族探偵」にレギュラー出演、コミカルな演技で存在感を示す生瀬勝久(C)フジテレビ
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 俳優の生瀬勝久(56)がフジテレビ「貴族探偵」(月曜後9・00)にレギュラー出演。原作にないドラマオリジナルのキャラクター、警部補・鼻形雷雨を好演している。持ち味の1つ、コミカルな演技で存在感を発揮し、作品を牽引。17日の第1話放送後、SNS上でも「生瀬劇場」などと反響を呼んだ。生瀬にキーマンを託した理由などを同局の羽鳥健一プロデューサーに聞いた。

 1987年4月からドラマ枠になった同局の看板枠「月9」の30周年を飾る話題作。原作は、2011年に「隻眼の少女」で日本推理作家協会賞に輝くなど、推理小説の常識を覆す作品を世に送り続けている俊才・麻耶雄嵩(まや・ゆたか)氏の「貴族探偵」「貴族探偵対女探偵」。召使いに推理を任せ、自分は事件関係者の女性と会話を楽しみ、遊びに興じるという異色の探偵(相葉雅紀)を描く。

 生瀬が演じるのは、神奈川県警捜査一課の警部補・鼻形雷雨。上昇志向が強く、長い物に巻かれる性格で、第1話は「警察の沽券」を「股間」を言い間違えたり、キノコの一種・ポルチーニが何なのか最後まで分からないなど、オトボケの一面も。武井咲(23)演じる女探偵・高徳愛香とは漫才コンビのような掛け合いを披露する。インターネット上でも「ダメ刑事を演じたら、生瀬さんは天下一品」「ボケの生瀬さんとツッコミの武井さんのペアが抜群」などと絶賛の声が相次いだ。

 ドラマオリジナルのキャラクターを作った経緯について、羽鳥プロデューサーは「原作ですと、毎回事件が起こった場所の所轄の捜査一課の担当者が登場し、貴族探偵とひと悶着あって、所轄の上層部から『貴族探偵の好きなようにさせろ』という厳命が下り、担当者が地団駄を踏むというのが、お約束のおもしろい場面になっています。連続ドラマにするにあたって、毎回このパターンを繰り返すのもおもしろいと思ったのですが、専任の担当者を作ってしまった方が、いろいろな説明が省けるメリットと、女探偵・高徳愛香(武井)が毎回登場することを決め事にした時に、おもしろい相方(=専任の担当者)がいた方が良いのではないか。ひいては浮世離れした貴族探偵たちとのやり取りが非常におもしろくなるのではないかと考えるに至りました」と説明。「女探偵とのやり取りが物語を動かしていくエンジンになると確信し、警部補・鼻形雷雨というキャラクターを設定しました」と大きな役割を委ねた。

 そこに生瀬を起用。「圧倒的に多いセリフ量とテンポ感、そして、その存在感。ミステリードラマの中でコミカルなやり取りが自然にできる俳優さんと考えた時に、生瀬さん以外に選択肢がありませんでした」とキーマンを託した理由を明かした。

 鼻形雷雨という独特の名前は「格好良くて豪放磊落な名前なのに、実態はちょっと残念で愛すべきキャラということで、当初は『花形雷雨』という名前で考えていました。脚本制作中、女探偵・愛香(武井)とのやり取りがどんどんおもしろくなっていく中で、愛香が鼻形を呼ぶ時に、おもしろい呼び方ができないかと考えました。結果として『花形』改め『鼻形』にして『あ、そっちのハナなんだ』というやり取りをさせて、それ以降『ハナさん』『ハナ』と愛香が呼ぶのがおもしろくて。そんな経緯で『鼻形雷雨』という名前が生まれました」

 生瀬の代表作の1つ、テレビ朝日「トリック」シリーズのダメ刑事・矢部謙三に続き、「月9」でも鮮烈な印象を残す刑事像。矢部を思い起こす視聴者も多かったが、鼻形の天然ぶりなど、もちろん異なるキャラクターに。「『トリック』並びに『矢部謙三』のキャラとその魅力が分かっている上で今回のドラマを構築していますが、『鼻形雷雨』は浮世離れしたファンタジックな貴族探偵たちとリアルな人たちとの間のクッションになり、そしてバランスを取る、難しくも新しい役どころであり、今まで見たことがないおもしろいキャラクターだと思っています」と強調した。

 第2話(24日放送)以降も、生瀬がドラマをかき回す。

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2017年4月24日のニュース