「ちりとてちん」で師弟役 桂吉弥、渡瀬さんから学んだ“常に全力”の姿勢

[ 2017年3月17日 14:53 ]

「ちりとてちん」で使っていた手ぬぐいを置いて、渡瀬恒彦さんとの思い出を語る桂吉弥
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 上方落語の桂吉弥(46)が5月23日、大阪・サンケイホールブリーゼで独演会を行うことになり17日、同市内で会見を行った。

 吉弥は故・桂吉朝さん(享年50)の弟子で、桂米朝さんの、孫弟子。NHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」(07年後期)に、14日に亡くなった渡瀬恒彦さん演じた落語家の一番弟子役として出演したことがきっかけで全国的にもブレークした。

 前日には「2人目の師匠を亡くした」と事務所を通じコメントしていたが、この日はドラマで使っていた手ぬぐいを持参し「大道具さんや衣装さんのことも考えて、私らがダラダラしていたら“早くしろ!”と怒ってくれる人だった」と思い出を語った。

 吉弥によると、渡瀬さんはOKシーンの確認モニターを見ないスタイルだった。その理由を問うと、渡瀬さんが若いころ、東映の映画撮影時にこだわり過ぎて10回ほど自らNGを出した。ところが「後でNGシーンを見たら何で自分がNGを出したのか分からない。それなら目の前のことを全力でやって、後は監督の『OK』を信じよう、と思ったと」明かしてくれたという。

 その助言以降、吉弥の落語のスタイルも変わったという。「前は今日のお客さんに受けなかったとしたら“明日の客に受ければいいか”と思っていたけど、常にベストを尽くして目の前のお客さんに笑ってもらうことを意識し始めた」。

 今年の独演会では米朝さん、吉朝さんから学んだ「稲荷俥」「くしゃみ講釈」、さらにライフワークでもある干支にちなんだ創作落語「とりたつ」を披露する。吉弥は「今年は米朝師匠の三回忌、うちの師匠(吉朝さん)の十三回忌。独演会が行われるころは渡瀬さんの四十九日ぐらいかな? この会を区切りにもう一段階高いところのいけるよう頑張りたい」と、師匠陣に捧げる落語会にすることを誓った。

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2017年3月17日のニュース