X JAPAN、本格的な世界進出へ ウェンブリーが「始まり」

[ 2017年3月6日 05:30 ]

ウェンブリーアリーナの観客をバックに「X」ポーズして記念撮影するX JAPAN。左からSUGIZO、ToshI、YOSHIKI、PATA、HEATH
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 ロックバンド「X JAPAN」が4日(日本時間5日)、英ロンドンのウェンブリー・アリーナでコンサートを行った。2014年には米マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で公演しており、日本人で初めて米英の「ロックの聖地」を制覇。YOSHIKI(年齢非公表)は「まだ扉を開けただけ。ここからが始まり」と、本格的な世界進出への船出を宣言した。

 耳の肥えたロンドンの音楽ファンを大興奮させたのは17曲目の「X」だった。観客1万2000人は、サビの「エックス」のフレーズに合わせて一斉にジャンプ。米国でもおなじみになった「Xジャンプ」が、英国の聖地に未体験の衝撃をもたらした。2階席に固定されたテレビカメラが上下に揺れて現地スタッフが驚いたほどだ。

 トークは全て英語で、ボーカルのToshI(51)が「ついにここ、ウェンブリーに来た!」と叫んでスタート。開演時は大半の観客が体を揺らす程度だったのが、10曲目のロックナンバー「Born To Be Free」では頭を激しく振り回す人が続出。YOSHIKIは「キープ・オン・ロッキング!(ロックし続けろ)」と呼びかけてさらに熱気をあおり、約3時間にわたって全20曲を熱演した。

 音楽もファッションも英国の影響を大きく受けてきただけに、感慨深いステージとなった。「10歳の時からクイーン、レッド・ツェッペリン、デビッド・ボウイを聴いていた。デビュー当初にツノ頭(逆立てた髪の毛)だったのも、イギリスのパンクロックをイメージしたものだった」とYOSHIKI。

 名を挙げた英ロックスターのうち、クイーンのヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」とボウイさんの「スペイス・オディティ」をピアノ演奏。観客が合唱して一体感が生まれ「ロック発祥の地で、辛口のオーディエンスに受け入れられてよかった」と感激した。

 日本人がウェンブリーで公演するのは、昨年4月のBABYMETALに続き2組目。米英両国の「ロックの聖地」を制し、ビートルズやローリング・ストーンズ、マドンナ(58)ら世界的スターと肩を並べた。それでもYOSHIKIは「まだ扉を開けただけで達成感はない。進行形にこだわって次に向かいたい」と満足していない。

 今年、21年ぶりとなるアルバム発売に期待がかかる。リリースされれば、本格的な世界進出の足がかりとなるだけに、世界中のファンが待ち望んでいる。

 ▽ウェンブリー・アリーナ 1934年に屋内プール「エンパイアプール」として開場。78年に多目的ホールに改修され、改名された。現在の正式名称は「SSEアリーナ・ウェンブリー」。ビートルズ、ストーンズはともに改修前の60年代に公演を開催。48年のロンドン五輪では競泳、水球など、12年の同五輪では新体操とバドミントンが行われた。

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