“ダイエットバラエティ”番組 人気の背景に人間ドラマ

[ 2017年3月5日 15:11 ]

 テレビの番組企画で、ある程度の数字が期待できる鉄板テーマが「ダイエット」。中でも新しいバラエティ的アレンジを加えた“ダイエットバラエティ”が人気となっている。

 先陣を切ったのが不定期特番として放送されている「ダイエット・ヴィレッジ」(日本テレビ)。14年に放送された深夜単発からゴールデン特番に昇格し人気シリーズに成長。自分だけでは痩せられない“太め”の8人が1カ月間の共同ダイエット合宿を決行、合計100キロの減量に挑戦する。

 ロンドン五輪男子200メートル平泳ぎの銅メダリスト・立石諒や、ビリーズブートキャンプでおなじみのビリー隊長が伝授するトレーニングなど、視聴者もすぐに実践できるダイエット情報が得られるのはもちろん、ダイエットを成功させると賞金100万円という目標の中でチームが衝突するという、リアリティーショーとしての面白さも加わった点が新しい。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)に寄せられた視聴者回答をみると、「欠かさず観ています。女性だけのダイエット合宿って過酷。お手軽なダイエット方法も登場するので活かせそう」(53歳女性)、「最初はぎくしゃくしていた仲間同士も最後はいい雰囲気なり、ダイエットのほかにも学ぶことがあった」(57歳女性)などダイエット情報だけではなく、人間模様の面白さが人気ポイントとなっている。

 今年1月11日に放送された単発特番「ダイエット総選挙2017」(TBS)。ぽっちゃりの12人がアイドルを目指してダイエットに挑戦し、一番痩せた挑戦者がセンターポジションをゲットできるという、シンデレラストーリー的要素を加えた点が面白い。3人が1グループとなり“グルテンフリー”や“餃子”など、チームごとのダイエットテーマで競い合い、どの方法が一番痩せられるかを試す。「みんなとても頑張っていてすごい。過酷なトレーニングにも耐え、精神的にも強くなったんじゃないかと思った」(34歳女性)など、出場者のひたむきな姿が共感を呼んだようだ。

 最近ではレギュラーバラエティでも新しいアレンジのダイエット企画が多い。TBSで放送中の「ピラミッドダービー」(毎週日曜後7時56分)では「何kgやせる?ダイエットダービー」というコーナーがあり、さまざまなダイエット法で競わせ、その勝敗や、果たしてその方法でやせたのか?体重の増減を推理させる企画が人気。

 「スクール革命」(日本テレビ、毎週日曜前11時45分)では、1月に「最新ダイエット2017」と題し、芸人のとにかく明るい安村が“おかゆダイエット”を駆使して7キロの減量に成功する様子に密着。定番のダイエット追跡系だが、その動機が“ネタのキレを取り戻す”というもので、オチが減量成功可否のリアクションだけでなく、キレを取り戻したネタ披露という、バラエティ的演出が面白かった。

 新しいダイエットバラエティが増えた背景には、視聴者から注目を集めやすいということはもちろん、その密着によって人間ドラマが自然と生まれるというドキュメント性が、視聴時間を長くするという狙いもそこにはありそう。ダイエットは男女問わず、多くの人にとっても永遠のテーマ。新趣向のダイエットバラエティは次々と登場する。

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2017年3月5日のニュース