アカデミー賞で前代未聞ハプニング!歓喜が一転“ア・ラ・ランド”

[ 2017年2月28日 05:30 ]

第89回アカデミー賞で作品賞を受賞し、スピーチする「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督
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 米映画界最大の祭典、第89回アカデミー賞の発表・授賞式が26日(日本時間27日)、米ハリウッドのドルビーシアターで開かれた。注目の作品賞は大本命の「ラ・ラ・ランド」と発表されたが、実はプレゼンターに別の封筒が渡る手違いが発生。プロデューサーらが喜びのスピーチをしている最中に訂正されるという前代未聞のハプニングとなった。式典では、イスラム圏7カ国から入国禁止を決めたトランプ米大統領への批判や皮肉が相次いだ。

 授賞式のハイライトである作品賞の発表。プレゼンターを務めた俳優ウォーレン・ベイティ(79)が赤い封筒から、作品名が記されたカードを取り出した。

 「アカデミー賞は」と言ってカードをもう一度見る。「作品賞は…」と続けたが、凍り付いたような表情。ステージ袖を見て、カードを一緒に登場した女優フェイ・ダナウェイ(76)に手渡した。

 「ラ・ラ・ランド!」

 ダナウェイは笑顔で読み上げ、下馬評通りの受賞に、会場は大きな拍手に沸いた。同作で主演女優賞に輝いたエマ・ストーン(28)をはじめ、スタッフら大勢がステージに上がって抱擁。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツ氏らはオスカー像を握りしめ、1人ずつ喜びのスピーチを続けた。

 歓喜の輪の中に突然、ヘッドマイクをつけた映画賞スタッフが駆け込んできた。壇上は大混乱。別のプロデューサーが喜びのコメントをしている最中に、ホロウィッツ氏が「間違いがありました。作品賞は“ムーンライト”です!ジョークじゃありません」と発表。赤い封筒から「ムーンライト」と書かれたカードを取り出し、会場に掲げた。集まった観客はあぜん。戸惑いの声と拍手が入り交じり騒然とした。

 「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督(37)らがステージに上がると、ホロウィッツ氏が一度受け取ったオスカー像を「これはぜひ私から“ムーンライト”の皆さんに渡したい」と手渡し、両作品の関係者が抱き合い称え合った。ジェンキンス監督は「これは夢ではない。現実なんです。なんてことでしょう!」と大興奮した。

 ベイティはステージ上で「封筒を開けると“エマ・ストーン ラ・ラ・ランド”と書かれてあった」と釈明。各賞の封筒は予備も含め2通ずつ用意されており、スタッフが主演女優賞の予備の封筒を間違えてベイティに手渡したことが原因のようだ。

 「ムーンライト」は助演男優賞、脚色賞と合わせて3冠を獲得。大本命とされた「ラ・ラ・ランド」は6部門で受賞した。

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