【皆、シンデレラがやりたい。】根本宗子新作も盛況、高田聖子ら爆笑会話劇

[ 2017年2月22日 09:00 ]

根本宗子の新作舞台「皆、シンデレラがやりたい。」の1場面(左から猫背椿、新谷真弓、高田聖子)
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 次世代の演劇人として今、最も注目を集める脚本家・演出家の1人で女優の根本宗子(27)の新作舞台「皆、シンデレラがやりたい。」(東京・本多劇場)が盛況。劇場に爆笑を巻き起こしている。

 2009年、19歳の時、劇団『月刊「根本宗子」』を旗揚げ。15年上演の「夏果て幸せの果て」が“演劇界の芥川賞”と呼ばれる第60回岸田國士戯曲賞の最終候補作品に選出。昨年9〜10月には女優・橋本愛(21)の初舞台作となった劇団第13回公演「夢と希望の先」(本多劇場)を作・演出し、好評を博した。

 新作のたびに動員を増やし、人気急上昇中。若手注目株として勢いに乗る中の今作は、男性アイドルの追っかけをしている40代女性を中心に描く悲喜劇。“おばさん3人組”を演じるのは「劇団☆新感線」の高田聖子(49)「大人計画」の猫背椿(44)「ナイロン100℃」の新谷真弓(41)。人気劇団を背負う女優が顔を揃えた。元モーニング娘。の新垣里沙(28)小沢道成(31)根本とともに、丁々発止の会話劇を繰り広げる。

 アイドル「一ノ瀬陸」の追っかけをして知り合った3人組、榎本幸枝(高田)神保裕子(猫背)角川明海(新谷)。ある日、ツイッター上で一ノ瀬の恋人と思われる地下アイドル・三村まりあ(新垣)の存在を知る。1人のアイドルをめぐり、出会うはずのなかった4人の奇妙なバトルが始まる…。

 仲良し3人組に見えながら、実はマウンティングをしている高田&猫背&新谷の三つ巴が最高。特に高田の悲哀がいい。根本の出番は劇団公演より少なめだが、インパクトを残す。中盤からギアが上がり、物語は加速。どこに向かうのか予想もつかぬ疾走感と着地点。根本の筆が冴えまくる。

 根本は「私が一番これ客席で見たいです。聖子さんと猫背さんと新谷さんの3人が揃うことは、もうきっとないだろうし。これの第2弾がない限り。プラス新垣さん、小沢くん、私とキャストが6人しかいないので、始まるとノンストップで全員でつないでいく感じが、やっていてすごく楽しいです」と手応え。

 「3人の“楽しそうさ”も日に日に増していて、お芝居の中のアイドルが実在するんじゃないかって錯覚するぐらい。これはもちろんフィクションなんですけど、好きな人を追いかけたりファンになったりって気持ちは、どこかみんな経験したことがあると思うんです。世代や性別で見方も全然違うでしょうし、いろんな層の人に見てほしいですね」と呼び掛けている。

 上演時間は1時間45分(休憩なし)。公演は26日まで。

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2017年2月22日のニュース