「ゆゆゆ」で町おこし 声優・照井春佳らが“聖地巡礼”ライブ

[ 2017年2月10日 10:30 ]

14年放送のテレビアニメ「結城友奈は勇者である」(C) 2014 Project 2H
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 香川県観音寺市で今月5日、14年放送のテレビアニメ「結城友奈は勇者である」に出演した声優によるトークショーが行われた。

 同作は観音寺市が舞台のモデル。讃州中学校勇者部の5人が人類を守るため未知の敵「バーテックス」と戦う物語で、ファンの間では「ゆゆゆ」の略称でも知られている。この日は主人公・結城友奈を演じた声優照井春佳(29)らが讃州中学校のモデルになった観音寺中学校でライブやトークショーを行った。

 同市は昨年11月、町おこしの一環として、「結城友奈」とのコラボレーション企画を発表。今年1月から市内に登場キャラクターの等身大パネルやコラボポスターを設置していた。企画発表後、初めて行われた今回のイベントには、アニメファンや市民ら1400人が訪れた。

 同市の担当者は「アニメの魅力とともに、人の温かさや町の暖かさといった、観音寺の魅力を知っていただきたい。と同時に、自分の住む町を使ったアニメがあるということを市民に知ってもらって、盛り上がってほしい」と話した。

 発表されたのは11月だが、市は昨年4月から準備を進めていた。いよいよ形になるというタイミングで映画「君の名は。」が大ヒット。「聖地巡礼」が注目を浴び、新語・流行語大賞のトップテンにも入った。「良いタイミングで企画を始められたなと、うれしく思っています」と追い風を感じている。

 「結城友奈」は続編となる新作テレビアニメが今年10月から放送されることが決まっている。さらに、テレビアニメの1〜6話にあたる「鷲尾須美の章」が3月18日から劇場公開される。具体的に決まっているイベントなどはまだないというが、担当者は「これからアニメもさらに盛り上がるというタイミングなので、市内も盛り上げたい」と意気込んでいる。

 昨年9月にはアニメ聖地を公式に選定する初の団体「アニメツーリズム協会」が発足。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、観光事業にアニメを活用しようという動きが目立っている。今後も、観音寺市のような自治体が出てくるだろう。現在放送中のテレビアニメにも、埼玉県越谷市が舞台のモデルになっている「小林さんちのメイドラゴン」、静岡県浜松市がモデルの「ガヴリールドロップアウト」など、ご当地アニメ候補がある。

 各自治体をアニメファンが訪れることで町が活性化され、住民がその作品に興味を持ったり話題になることでアニメファンが増える。住民とファン、両者にとってうれしい結果を生み、町とアニメの結びつきが長く続けばいいなと思う。

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2017年2月10日のニュース