真田丸&戦隊「サンデー寺島進」ファン拡大に喜び 家族の笑顔が一番の幸せ

[ 2017年2月10日 08:00 ]

「バイプレイヤーズ」名脇役インタビュー(4)寺島進(下)

テレビ東京「バイプレイヤーズ」に出演する寺島進(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会
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 遠藤憲一(55)大杉漣(65)田口トモロヲ(59)松重豊(54)光石研(55)=アイウエオ順=とともに、日本映画界に不可欠な名脇役6人による夢の共演で話題を呼ぶテレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」(金曜深夜0・12)に名を連ねる俳優の寺島進(53)。北野武監督(68)の映画の常連として知名度を上げ、昨年はNHK大河ドラマ「真田丸」とテレビ朝日「動物戦隊ジュウオウジャー」が反響を呼んだ。両番組とも日曜日の放送で、自ら「サンデー寺島」と名乗り、新たなファン層を獲得。“飛躍”の1年を経て「バイプレイヤーズ」に気合が入っている。

 高校卒業後、俳優養成所の三船芸術学院に入所。殺陣に目覚め、殺陣師の宇仁貫三氏に弟子入りした。1986年、故松田優作さんの初監督作「ア・ホーマンス」で映画デビュー。89年、北野監督のデビュー作「その男、凶暴につき」のオーディションを受け、役を射止めた。

 その後は「あの夏、いちばん静かな海。」「ソナチネ」「みんな〜やってるか!」「キッズ・リターン」「HANA―BI」「BROTHER」「TAKESHI’S」「監督・ばんざい!」と北野映画の常連に。ただ、2008年公開の「アキレスと亀」を最後に「声掛かっていないから、今は常連じゃないけどね」と苦笑いしながらも「今、こうやってメシを食えるのも、もう本当に北野監督のおかげ。もう本当に育ての親なので。北野映画はホームグラウンド。今は『ほかでも、ちゃんと仕事できるんだろ』って、いい意味でね、親が子どもを社会に出している感じ」と笑い「また戻る時が来るを信じて、頑張っています」と再出演を目標にする。

 映画中心の活動だったが、05年12月放送のフジテレビ「逃亡者 木島丈一郎」などで、お茶の間の人気も上昇。同局ドラマ「踊る大捜査線」から派生した映画「交渉人 真下正義」のスピンオフドラマ。「テレビの影響っていうのは大きいんだなと思いました。初めての監督(波多野貴文)だったけど、ディスカッションして、台本の直しとかを(クランク)インする前にやって。時間があったね、あの頃。やっぱり、現場に入る前に時間をつくることは大事だなと思いますね。現場に入ったら、待ったなしでスタートなんで。ちゃんと下準備して、腹にあることは全部出して、信頼関係を築いて、現場に臨む。木島の時は、そういうことができたと思いますよ」と振り返った。

 昨年はNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)にレギュラー出演。忍びの集団をまとめ、真田昌幸(草刈正雄)真田信之(大泉洋)に仕えた武将・出浦(いでうら)昌相(まさすけ)を渋く演じた。

 「(脚本家の)三谷(幸喜)さんのおかげで、いい話、いい役を作っていただきましたね。昔取った杵柄じゃないけど、殺陣をやって、たくさん稽古していてよかったなと思います。刀のさばき方とか、納刀の仕方とか、時代劇の所作は独特なんで。昔やっていたことが今回、生かされたのかなと感じましたね」

 出浦が登場すると、毎回インターネット上でホットワード1位。普段ネットは見ないため「本当ですか?」とSNS上の人気に驚きながら、同作のイベントで長野県を訪れた際に「(客席に)出浦の似顔絵やイラストがたくさんあったの。寺島進という役者を『真田丸』の出浦で初めて知ったという人もいたので、新しいファンが増えたのでうれしかったですね」とコワモテの顔から笑みがこぼれた。昨年は「動物戦隊ジュウオウジャー」(日曜前7・30)にもレギュラー出演し、風切大和(中尾暢樹)の叔父で、動物専門の彫刻家を営む森真理夫を演じた。「16年は“サンデー寺島”って言っていたの。朝は『ジュウオウジャー』で幼稚園の子どもたちにも覚えられて、夜は『真田丸』で銭湯で会うおじさん連中にも『大河よかったね』『いい役だったね』と声掛けられて。16年はファン層が幅広くなったかなと思いますね。広がった中での『バイプレイヤーズ』だから、頑張らないといけません」と気を引き締めた。

 09年に18歳下の夫人と結婚し、2児のパパ。今後については「家族あっての自分なんで、家族が喜べばいいと思います。お父さんの仕事を見て、家族が喜んでくれたら、最高ですね。カミさんと子どもが笑った顔が、オレの一番の幸せの瞬間なんで。ずっと、そうやって、やり続けたいですね。あと20年は現役バリバリでやっていきたい。そう強く感じています」。家族愛を胸に、役者の道を極める。

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2017年2月10日のニュース