有吉&地方局の特番 非効率的な収録スタイルの理由

[ 2017年2月8日 09:00 ]

有吉弘行(中央)を囲むRCCのスタッフ。有吉の右隣が脇田晃治氏、左隣が横山雄二アナウンサー、左後方が筒井俊行氏
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 広島県の地方局RCC(中国放送)がタレントの有吉弘行(42)とタッグを組んだ年1回の特番が今年も放送される。有吉が「地獄」と表現するほどの低迷期にもバラエティー番組「KEN−JIN」で起用し続けた同局だからこそ実現したこの番組。有吉との“再会”を実現させるため、通常ではあり得ないスタイルで制作された。

 RCCに有吉が出演する特番は今年で3年目。97年4月から2005年4月まで放送された深夜番組「KEN−JIN」のスタッフが、広島から約20人上京。技術スタッフや大道具などは現地の制作会社、美術会社に発注するのが一般的だが、スタジオセットはワンボックスカーに詰め込み、広島から東京まで陸路12時間をかけて持ち込んだ。その分コストもかかり、「自腹こそ切ってないものの、それくらいの気持ちで東京に来ている」のだという。

 収録はスタジオではなく、都内にあるカラオケ店のパーティールームを利用。楽屋は個室のカラオケルームを割り当てたため、「銀シャリ」橋本直(36)は「(横澤)なっちゃんがあいさつにきてノックには気づくけど、『どうぞ』の声が外に届かなくて。防音ガチガチやな」と苦笑した。

 収録中にカンペを見せるなどするフロアディレクター(FD)は20代の若手が務めることが多いが、「KEN−JIN」から苦楽を共にしてきた脇田晃治氏(45)が担当。脇田氏の“本来の仕事”はVTRのディレクター、演出だ。

 非効率的にも見える番組制作をするのはいったいなぜなのだろうか?脇田氏はこう説明する。「RCC制作のフルネット番組は年に1回しかありません。更に、有吉さんと一緒に仕事が出来るのも年に1回しかありません。“年に1回のお祭り”のような仕事に、みんなが全力を注いでいるため、このようなスタイルで制作をしています」。さらにカメラマンでテクニカルディレクターの筒井俊行氏(50)は「東京のモンには仕事を任せられない」という反骨精神を口にし、「有吉は僕に会いたいはず」「有吉は僕じゃないと気分が乗らないはず」と絆の強さを強調した。

 RCCが制作した今年の有吉特番のタイトルは「神ってる!有吉大明神〜神ってるアレの理由を大公開!〜」。「KEN−JIN」の企画立案を担当したRCCの横山雄二アナウンサー(49)が番組ナビゲーターを務め、11日の午後2時からTBS系で放送される。

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2017年2月8日のニュース