「下剋上受験」原作本も“下剋上”自費出版から20万部超&ドラマ化

[ 2017年1月27日 09:00 ]

「下剋上受験」原作者の桜井信一さん(顔出しNGのため、画像を一部加工しています)
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 両親は中卒で、塾に通わず親子二人三脚で偏差値41から最難関中学を目指す。TBSドラマ「下剋上受験」(金曜後10・00)は作り話のような設定だが、同タイトルのノンフィクションが原作。実は原作本も「下剋上」と言っても過言ではない売れ方をしていた。

 父子の挑戦を日記のようにしてメールで書き残しておいた原作者の桜井信一さんは、受験が終わり、書きためたメールを見てあることを思いついた。「うちは記念写真を撮る習慣がないんですけど、こういう風に育てたとわかるように(娘の佳織さんのために)まとめてあげようと。改めて言葉をつないで、その時に本にしようと思ったんです」。

 同時に考えたのは「私立中学の学費を払っていかないといけない。大学進学もお金がかかる。これは本で一発当てるしかない」ということ。文学賞などに応募しても結果が出るまでに時間がかかる。それならば出版社に直接持ち込もう、原稿の形よりも本にした方が良いのでは――。

 思い立ってから行動に移すまでは早かった。自費で約300部発行し、続いて産経新聞出版から刊行されることに。その後算数のテキストや中学受験の悩み相談本も手がけ、今ではシリーズ累計20万部を突破した。さらにドラマ化も決まり、桜井さん自身も「話が大きすぎてどう喜んでいいのか」と戸惑うほどだったという。

 時には「娘を下剋上と言っておきながらまんまと自分も下剋上しとるじゃないか、けしからん」といったようなメールが来ることもあるようだが、「本を書いて有名になろうと思ったらあさましいかもしれないけれど、学費を稼ごうと思っていたので。その批判が来てもまたかという感じですけど。(批判する人は)たぶんすごい金額と思っていると思うんですよね」と気に留めない。

 「僕もこんな経験してなければドラマ化って城が立つのかと思ったりしますけど、教育費がまかなえたという感じですかね」と冗談まじりに“成果”を口にした。

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2017年1月27日のニュース