梅宮辰夫涙 松方さん最後は体重40キロ…「待ってろ、すぐ行くから」

[ 2017年1月25日 05:30 ]

会見で涙を堪える梅宮辰夫
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 21日に脳リンパ腫のため死去した松方弘樹さん(享年74)の訃報から一夜明けた24日、50年来の親交があった俳優の梅宮辰夫(78)が神奈川県内で取材に応対。若手時代からを振り返り「残り少ない昭和のスターの生き残り。あいつまでいなくなっちゃって寂しい」と沈痛な表情を浮かべた。23日に参列した密葬について、「たった1時間であれっぽっちの骨になってしまった。人間ってこんなに簡単なのかと思った。悲しい」と涙を見せた。

 巨大カジキ、アラスカの怪物ヒラメ…。役者の枠を超え、世界中の海をともに駆けた盟友の死に梅宮は「今の芸能界であいつみたいな生き方をしたらスッと(首を)飛ばされる。今どき他に類を見ない芸能人だった」と豪快な人柄をしのんだ。

 昨年2月に肺炎にかかり、松方さんと前後して入院。先に退院して以降「月1度は見舞った」。5月までは意識がはっきりしており「土産は何がいいか聞いたら“辰兄が作る弁当がいい”と言うから、毎回作って持ってってやった」と話した。

 最後の対面は昨年12月20日。「意識がなく、宙をボーッと見てる。オイッて言っても反応しなかった」という。最後は「体重が40キロだったと聞いた。元が60キロとしても20キロ減。大変ですよ」。それから約1カ月後、永遠の別れを迎えた。

 23日の密葬は梅宮のほか、松方さんのパートナーの元女優山本万里子さん(44)、弟の目黒祐樹(69)夫妻、松方さんが最初の夫人との間にもうけた長男の目黒大樹(43)と長女の計6人が参列。「火葬までずっとそばにいた。端正な顔で、今にも起きてきそうだとずっと話していた」と話した。

 生前は「仕事の話はしなかった」。ドラマの共演は10本ほどだが、1985年放送開始の日本テレビ「世界を釣る」シリーズなど「釣り番組は25本以上一緒だった」と、大海に結ばれた絆だった。最初に所属した東映では年齢も芸歴も梅宮が上。普段は先輩ぶって「(芸歴が)3つ違うとこんなに違うもんかなと嫌みを言われながら」釣りを通じて心を通わせた。

 松方さんは晩年マグロ釣りに心血を注いだが、「1回海に出ると60万円くらいかかる。1週間の漁を年4、5回。でも、釣れるのは10年に1度。一体いくら捨てるんだと言ったことがある」と笑いつつ「今の連中にはできないよ」ときっぱり。

 「釣り番組で海外に行くとき、松方はスタッフ全員のパスポートを集め免税店に行く。1人2本ブランデーが買えるのでスタッフに1本ずつポンと渡し、後は独り占め。豪快だった」と松方さんらしい逸話を披露した。

 「“天国の海に釣りに来い”と言われてる気がしたから、待ってろ、すぐ行くからと答えた」と話すと、目には涙。大きな喪失感をのぞかせた。

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2017年1月25日のニュース