田中絹代賞は松原智恵子 改めて実感、映画に国境なし

[ 2017年1月19日 08:45 ]

2016年毎日映画コンクール

夕暮れの窓辺でポーズを取る松原智恵子
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 田中絹代賞には松原智恵子(72)が選ばれた。 

 ロシア南部のソチで朗報を受け取った。女優生活55周年の記念映画「ゆずの葉ゆれて」がソチ国際映画祭から招待を受けて参加中のことだった。田中絹代賞が弾みとなったか、主演女優賞も贈られ「二重の喜びでした」と松原は声を弾ませた。

 日活出身。「(他社の俳優の引き抜きを禁じた)五社協定がなくなってからもご縁がなく、ご一緒することはありませんでしたが、お芝居を突き詰めて一生懸命なさる演技派。“楢山節考”では歯を抜かれました。向き合い方が凄い方」と絹代さんの印象を口にした。

 61年に入社し「夜の挑戦者」でデビュー。吉永小百合、和泉雅子と「三人娘」として人気が沸騰した。「無頼」では渡哲也の相手役を務めてシリーズ化に貢献。製作方針の転換で日活を離れたが、森光子さんらと共演した「時間ですよ」やNHK大河ドラマなどテレビでも活躍。「どちらも現場が楽しいし大好き。でも私は撮影所で育ちましたから、いつまでも映画はやっていきたい」

 夫婦の絆と別れを老老介護の問題も絡めて描いた「ゆずの葉ゆれて」が海外でも評価されたように、映画に国境がないことを改めて実感した。「思いやりを描いた作品です。ロシアの女性から“良かったわ”とハグされました」と笑顔で明かし、「この年齢になって頂いた賞。まだまだ頑張ろうと勇気をもらえました」と賞ラッシュに生涯女優の誓いを新たにした。

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