渡辺謙 米ブロードウェーの観客の前で「声ガッタガタ」帰国が頭をよぎる

[ 2017年1月7日 10:15 ]

渡辺謙
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 俳優の渡辺謙(57)が7日、TBS「サワコの朝」(土曜前7・30)に出演。2015年に主演した米ブロードウェーのミュージカル「王様と私」での苦悩を語った。

 ブロードウェーには“プレビュー公演”というものが存在することを明かした渡辺。「1カ月はお試し公演で、お客さんは満員で入るけどその間はテスト。途中で(演技を)やめて、『すいません。ここからやり直します』ということもできて、お客さんもそれを納得している」と概要を説明し、「やってる方からしたらね…。ミスしても許してくれると思いながらも、お客さんの前でヘタを打ちたくないですよ」と役者としての本音を吐露した。

 「王様と私」のプレビュー公演中、あるシーンをなくすという演出変更が行われたことも告白。「そこを落とすと第2幕につながらないような気がしたんですけど、とりあえず1回やってみようということになって。そうしたらその日の声がガッタガタになっちゃって、うまく気持ちが入らない状態で最終幕まで行っちゃった。さすがに落ち込みましたね」と振り返り、「ちょっとヤバいな。あした、飛行機のチケットを買おうかなと思った」と帰国することも頭をよぎったという。

 その日の夜、演出家に「あしたもう一回戻して稽古をさせてくれませんか?」とメールすると、相手役を務めていた米女優のケリー・オハラから「あなたはそんなことで落ち込む必要はまったくない。私たちのキングはあなたしかいないんだから」と連絡が。翌日、劇場の楽屋へ行くと共演者やスタッフからも同様の手紙が置いてあり、周囲の支えで窮地を乗り切れたことを明かしていた。

 渡辺は「王様の私」での演技が評価され、米演劇界最高の栄誉とされるトニー賞のミュージカル部門主演男優賞にノミネートされた。

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2017年1月7日のニュース