解散SMAPへ タモリ直筆メッセージ「人生に勝敗なんてない」「先はまだまだ長い」

[ 2017年1月1日 08:00 ]

SMAPに宛てた直筆のメッセージを寄稿したタモリ
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 日本の芸能史に残る不世出のアイドルグループ「SMAP」が31日に解散し、結成28年、デビューから25年の活動に終止符を打った。メンバー5人全員による最後の言葉はなく、1日からソロ活動に入る。「SMAP最後の日」に、メンバーが芸能界で最も慕った父親的存在で最後の共演者でもあるタモリ(71)が、SMAPへの思いを直筆でスポニチに寄稿した。

 SMAP全員そろっての記者会見も肉声もなく、老若男女に愛された国民的グループとしてはあまりに寂しい終焉(しゅうえん)。家族がいる木村拓哉(44)をはじめ、全員が都内のそれぞれの自宅で最後の日を過ごした。

 芸能史上これほどの悲劇はない。元々、メンバー同士になんの問題もなかったのに「解散」という結末に至ったことに、いまだ納得できないファンは多い。

 2017年。それでも前へ進むしかないメンバーへの思いを、タモリは本紙に直筆で寄稿した。

 「スマップは立派だよ。小さい時からずっとずっとメンバーみんなで力を合わせて、これだけ長い間、一生懸命走ってきたんだ」と、アイドルグループで異例の長寿化に成功した背景にメンバーの“団結と不屈”の精神があったことを強調。彼らが駆け抜けた25年余はバブル崩壊後の閉塞(へいそく)感が続き、世界情勢も紛争が続く不安定な時代。そんな時代を明るく照らし励ましてくれたのがSMAPで「誰でもみんな“ありがとう”という感謝の言葉しかないんじゃないかな」と称えた。

 “最後の共演者”となった昨年12月19日放送のフジ「SMAP×SMAP」で、タモリはバカラの星形のクリスタルをメンバー全員にプレゼント。その五角形は5人の絆を意味しているようだった。そして、メンバーの料理を判定する「ビストロスマップ」で“最後の判定”を拒否した。

 直筆文にも「人生に勝敗なんてないし、どっちがいいとか悪いとか、そんな判定みたいなことなんてどうでもいいんだ。大切なこと、それは引きずらないことだ。乾杯すればそれで仲良し。やったことはすぐ忘れる。それが大事。人間なんて、そんなものだ」と“5人のSMAP”を大切に思ってきた人ならではのメッセージがつづられた。

 SMAPとの出会いは94年。フジ「笑っていいとも!」のレギュラーに中居正広(44)と香取慎吾(39)、翌95年に草なぎ剛(42)が抜てきされて以来22年になる。小中学生で芸能界入りしたメンバーにとって、保険会社やボウリング場などさまざまな仕事を経て30歳でデビューしたタモリの視点は人生の羅針盤だった。

 直筆文の最後は「先はまだまだ長い。どこでどうなるかは、わからない」。反省を嫌う“人生の達人”は、いくらでも変えられる未来に“5人のSMAP”の姿を照らしているようだった。

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