「逃げ恥」「ヤバ妻」…当たり年だった“火曜ドラマ” キーワードもヒットに一役

[ 2016年12月29日 10:00 ]

TBS「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングで恋ダンスを披露する新垣結衣(左)と星野源
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 2016年のテレビドラマを振り返ると、新垣結衣主演「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS)を筆頭に、“火曜ドラマ”の豊作が目立った1年だった。

 初回から11話の最終回まで、一度も視聴率が落ちずに走り抜けた「逃げ恥」だが、近年では視聴者の記憶にも残る満足度の高いドラマとなった。データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)によると、「逃げ恥」全11話の平均満足度は4・24(5段階評価)と10月期トップで、満足度データが残る12年4月期以降で「半沢直樹」(TBS)の平均4・34に次ぐ歴代2位。話題の「恋ダンス」だけでなく、ドラマのキャラクターに“プロの独身”、“こじらせ女”などキーワードを付け、ドラマの味付けに使ったのが好評だった。

 「逃げ恥」の放送は火曜午後10時だったが、16年のテレビドラマをクールごとに振り返ると他の“火曜ドラマ”の健闘も目立った。

 1月期ドラマの満足度トップはフジテレビで放送された遠藤憲一、渡部篤郎W主演の「お義父さんと呼ばせて」で3・93。同じく火曜10時の時間帯で放送されていた、深田恭子主演の「ダメな私に恋してください」(TBS)も3・89と高数値で3位。そして4月期のトップも同じく火曜10時の伊藤英明主演「僕のヤバイ妻」(フジテレビ)で4・04、同時間帯の「重版出来!」(TBS)も3・93と高数値を記録するなど、7月クール以外すべてのクールで満足度トップだったのが“火曜ドラマ”という結果になった。曜日別にドラマ満足度を集計しても、火曜3・85、日曜3・79、水曜3・77(16年のプライム帯放送のドラマ)の順で、やはり火曜日が最も高かった。

 火曜日に高満足度ドラマが量産された理由は、それぞれ質の高いドラマだったことはもちろんだが、ラブコメディ(逃げるは恥だが役に立つ)、ホームドラマ(お義父さんと呼ばせて)、サスペンス(僕のヤバイ妻)など、フジ・TBSの2局のドラマ枠が火曜日に重なった(NHKも1月期までドラマ枠があった)ことでそれぞれが刺激し合い、結果的に個性の強い作品になったことがあげられる。10月期は “逃げ恥”効果でさらに“火曜日は良作が多い”と印象付けられた視聴者も多かっただろう。

 来年1月期もフジテレビは14年に草なぎ剛主演でヒットした「銭の戦争」の新シリーズ「嘘の戦争」(10日スタート)、TBSは5年ぶりの連ドラ出演となる松たか子主演の「カルテット」(17日スタート)と話題作が揃っている。良作が続く“火曜ドラマ”、来年もその流れは続きそうだ。

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2016年12月29日のニュース