「15年以内」ルール変更が吉と出たM―1 実力派コンビが僅差のバトル

[ 2016年12月11日 11:40 ]

M―1グランプリを制した銀シャリの鰻和弘(左)と橋本直
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 銀シャリの優勝で幕を閉じた「M―1グランプリ2016」は、近年のお笑いコンテストでは、まれに見る僅差の戦いだった。銀シャリ、和牛、スーパーマラドーナによる最終決戦も紙一重。銀シャリだけでなく、和牛もマラドーナも、これをきっかけに全国区でガンガン売れてほしいと思う。

 5年間の空白を経て15年に復活したM―1だが、復活2年目の今年は、とくに予選から盛り上がった。その要因の一つとしてルール変更がある。第1回の01年から10年までは「コンビ結成10年以内」だったが、復活以降は「結成15年以内」に変更となった。この5年はでかい。劇場出番やテレビに出演するコンビも増え、芸人としての実力が伸びる時期でもある。

 決勝ラウンドの顔ぶれを見ても、10年以内だった場合、銀シャリ(05年)、スリムクラブ(05年)、ハライチ(05年)スーパーマラドーナ(03年)が出られない。敗者復活戦もジャルジャル(03年)かまいたち(04年)学天即(05年)三四郎(05年)とろサーモン(02年)らに資格がなくなる。それを考えても変更は正解で、実力伯仲のバトルはまだまだ続くはずだ。

 来年以降、気になるのは審査の問題。昨年は敗者復活のトレンディエンジェルが優勝し、今年も復活組の和牛が準優勝である。和牛については、予選で彼らのネタを見た複数の芸人が「今年は絶対に決勝に行けるレベル」と太鼓判を押していたので敗者復活に回った時は、勝負は時の運とはいえ、意外に感じた。

 決勝の審査については番組で松本人志が口にした一言につきる。「(島田)紳助さんがいればもっと良かったなというのが正直なところ」。説得力があって、厳しいことも躊躇なく言える存在はやはり必要だろう。今年の決勝は大会最少の5人によるジャッジとなったが、来年は関東の芸人を含め、さらに増えることも願っている。

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2016年12月11日のニュース